2019年8月18日(日)

先進国で長期金利急低下 米中対立泥沼化に警戒

北米
2019/8/8 20:30
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=後藤達也】先進国で長期金利が急低下している。米中対立が泥沼化するとの懸念を背景に、マネーが株式から国債へとシフトしているためだ。米国を起点に利下げの波が広がっていることも低下に拍車をかけている。

米中対立の泥沼化懸念がマネーの国債シフトを招いている=ロイター

米中対立の泥沼化懸念がマネーの国債シフトを招いている=ロイター

7日のニューヨーク市場で米10年物国債の利回りは一時、前日より0.11%低い1.59%に低下(価格は上昇)した。1日にトランプ大統領が対中制裁関税第4弾の発動を表明する直前は2%強だったが、1週間で異例の急低下となった。2016年に記録した史上最低水準(1.32%)の更新が視野に入り、「米国債がマイナス金利になるのもばかげた話ではなくなってきた」(米債券運用ピムコのヨアヒム・フェルズ氏)。

欧州でもドイツの10年債がマイナス0.6%台と史上最低を付けた。財政不安のくすぶるスペインでも0.1%台だ。

トムソン・ロイターの集計によると、19年の世界の債券ファンドへの資金流入は5600億ドル(約60兆円)に達し、暦年で過去最高を更新するペースとなっている。一方、株式ファンドからは1270億ドルが流出し、08年以来の規模だ。

米景気の拡大は過去最長の10年を超えたが、米中対立の先鋭化で後退局面に陥るとの警戒も出ている。リスクに備える投資家は株式から債券へ資金をシフトさせている。

中国が保有する米国債の行方にも注目が集まる。5月末時点の保有額は1兆1100億ドルと外国では最大で、発行残高に占めるシェアは7%に上る。市場の一部では中国が報復の一環として米国債を売り、金利上昇で米経済に打撃を与えるとの思惑がある。

ただ、世界景気の不安から米国債への需要は強く、中国が国債を売っても米金利が上がるかは不透明だ。市場では「中国が報復措置として米国債を売る可能性は低いが、仮に大幅に売れば両国の関係は一段と悪化する」との見方が多い。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。