2019年9月17日(火)

羽田、旅客700万人増 国交相が新ルート20年春開始表明

2019/8/8 20:00
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新ルートで羽田発着の国際便は増便される

新ルートで羽田発着の国際便は増便される

羽田空港の国際線の発着数を増やせる新しい飛行ルートの運用が2020年3月29日に始まることが決まった。国土交通省は新ルートの導入によって羽田の旅客数が年間700万人増えると見込んでおり、訪日客の受け入れ拡大や国際競争力の向上につながる。ただ、アジアの主要空港に比べればなお見劣りする面は否めず、成田空港も含む機能強化が急務だ。

石井啓一国交相は8日、関係自治体の理解が得られたとして20年3月の運用開始を正式に表明した。新ルートの意義として国際競争力の強化や訪日客の受け入れ増を挙げた上で「機能強化は必要不可欠」と強調。住民の懸念が根強い騒音や落下物についても引き続き対策を進めていくという。

新ルートは東京都西部にある在日米軍の横田基地(福生市など)が航空管制を担う空域を通過する。東京湾上空を通る従来のルートに加え、23区西部などの上空の新ルートも使うことで、羽田の発着数を増やせる。

同空港の国際線発着数は現在の年6万回から9万9千回に増えることになり、1日当たり50便が新たに追加される。

少なくとも数十万人規模の来日が見込まれる20年の東京五輪・パラリンピックを控え、訪日客を迎える体制が整う。東京都の小池百合子知事は「東京大会の円滑な実施にとって羽田の機能強化は極めて重要だ」と歓迎するコメントを出した。

国交省は新ルートの導入によって、羽田の国際線旅客数は外国人が年間294万人、日本人が411万人それぞれ増加し、計705万人増えると見込む。旅客増や関連産業の活性化による経済効果は年間6500億円に及ぶとはじく。

今後の課題は成田も合わせた「首都圏空港」としての機能強化だ。アジアの主要都市の年間旅客数と比べた場合、香港の7200万人、ソウルの6600万人、シンガポールの6200万人に対し、東京(羽田と成田)は新ルートによる旅客増を含めても約5700万人にとどまる。就航都市数でもなお見劣りする。

世界有数の人口密集地に近接することが羽田の競争力の源泉だが、それゆえに拡張性には乏しい。羽田の機能強化は今回の新ルート導入で区切りになるため、成田の活性化が今後の注目点だ。20年代後半を目指す第3滑走路の運用が始まれば、羽田と合わせた総発着回数は100万回規模に達し、世界の主要都市に迫る水準となる。成田の潜在力を生かすには都心へのアクセス改善が欠かせない。

今後の焦点は増便分の割り当てに移る。1日当たりの増加分である50便のうち24便は日米路線に割り当てることが既に固まっており、アジアや欧州各国と調整を進める。国交省は今秋にも各国や国内の航空会社への配分を公表する方針だ。

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