工事会社課長の過労死認定 残業200時間、把握せず
道路舗装工事の「福田道路」(新潟市)で厚木営業所の課長だった男性(46)が昨年5月にくも膜下出血で亡くなったのは長時間労働が原因の過労死だったとして、厚木労働基準監督署が労災認定したことが8日までに分かった。遺族の代理人弁護士が記者会見して明らかにした。認定は7月29日付。
弁護士によると、会社の出勤簿はすべて「午前8時~午後5時」と定時で記録され、労働時間が正確に把握されていなかった。パソコンの使用履歴などから最長で月213時間超の残業があったことなどが判明した。
男性は営業所全体の管理や若手の支援のほか、複数の現場監督も務めていた。昨年5月25日、業務の移動中に倒れ、5日後に亡くなった。労基署は亡くなる直前の3~6カ月の残業時間が平均80時間を超えていたと認定した。
会見に同席した妻は「会社は家族を大切にするとうたっていたが、社員も家族も大切にされていなかったと実感する」と話した。
福田道路は「遺族にお悔やみ申し上げる。労災を防げなかったことを厳粛に受け止め、長時間労働の抑制を進めている」としている。〔共同〕
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