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豊島逸夫の金のつぶやき

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米国債がマイナス金利になる日

2019/8/8 10:15
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あの南欧の国債までもがゼロ金利に接近中だ。ポルトガル10年債利回りは0.18%まで低下。スペイン国債は0.16%前後。アイルランド国債でさえ今週は一時マイナス金利に沈む局面もあった。

いっぽう安全資産とされる独10年債はついにマイナス0.6%まで利回りが低下。フランス10年債はマイナス0.3%近傍。国債購入者が金利を払うということは、安全性のコストがタダではないということか。マネーが駆け込む先と化しているが、この駆け込み寺は有料である(ちなみに金色の駆け込み寺も繁盛している)。

そして、安全資産の筆頭格、米国10年債利回りも8月に入って2%台から1.6%台まで急落する局面もあった。

それでも、欧州国債に比べれば、はるかに高いイールドである。こちらの駆け込み寺に行けばお小遣いまでもらえる。

このような市場環境で、米国債がいずれゼロ金利からマイナス金利なるシナリオももはや絵空事とはいえまい。

ニューヨーク(NY)の取引の引けベースで見ると、10年債が1.72%、2年債が1.60%。

逆イールドといえば、通常、政策金利との相関の高い2年債と10年債のイールド格差が最も注目される。その格差がかなり縮小してきたことが、米10年債マイナス金利の兆しと見える。

世界の投資家がこぞって米10年債を買い上げる。いっぽう、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を段階的にゼロ近傍(ZLB=zero lower bound)まで引き下げる可能性がある。

いまや世界の中央銀行の緩和合戦ゆえ、FRBが利下げに動けば、まず、欧州中央銀行(ECB)が金利を引き下げ、新興国の中央銀行までもが対抗上、利下げせざえるを得ない。

そこにトランプ大統領は、「ECBに負けるな。FRBももっと大胆に利下げせよ。FRBはプライドが高過ぎる、利上げした過ちを認めよ」と叱咤(しった)激励する。

10年債売買には投機筋も参入して、利回りを追うのではなく、債券短期売買による差益を追っている。いわゆる「イールドの追求」とは異次元の世界だ。

いずれ量的緩和再開でECBも、そして、FRBだって、国債を買ってくれるかもしれない、との期待で動いている。市場は金融正常化路線の転換を歓迎している。

リスクが顕在化するのは、世界経済が思いのほか打たれ強く、中央銀行の緩和姿勢が転換するときだ。あるいは、米中電撃妥協。投機的な国債トレードは、一斉に巻き戻しに動き、世界的に金利が急騰する。

米中貿易戦争の「武器」として中国側は大量に保有する米国債の売却をちらつかせる。このシナリオも金利急騰リスクをはらむ。

7日のNY株式市場では、寄り付き後に589ドル安まで瞬間的に急落する「フラッシュ・クラッシュ」のごとき現象が見られた。

異常なボラティリティー(市場の価格変動率)の高さが、市場の不安心理を映す。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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