浅間山噴火で降灰確認 入山規制、人的被害はなし
7日夜に浅間山で小規模噴火が発生し、噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられ、麓の群馬、長野両県は8日、それぞれ対策会議を開き、同日朝の段階でけが人や建物への被害がないことを確認した。群馬県嬬恋村と長野原町で降灰が確認された。周辺には軽井沢町など観光地が多く、夏休みシーズンの真っ最中のため観光客の安全にも万全を期す構えだ。
噴火は2015年6月以来で、レベル3は2009年4月以来となる。

気象庁は山頂火口から約4キロの範囲で大きな噴石などに警戒するよう呼び掛けている。8日には現地に職員を派遣し、火山灰が降った状況を調査。噴火がどのようなタイプだったか特定を急ぐ。
同庁によると、これまでの観測で、明確な地殻変動は確認されず、火山ガス(二酸化硫黄)の噴出量も増えていないため、マグマ活動が高まった状態ではないという。
浅間山では過去、噴火前に火山性地震が増加するなど予兆とみられる現象が起きることがあった。今回の噴火前には明確に予兆とみられる現象は確認されていなかったといい、気象庁は観測データを精査する。
噴火は7日午後10時8分ごろ発生し、約20分間続いた。噴煙は火口から1800メートルを超え、大きな噴石は火口から200メートル程度まで飛んだとみられる。火砕流は発生しなかった。
噴火警戒レベル3の対象自治体は群馬県が嬬恋村、長野県は小諸市、軽井沢町、御代田町。軽井沢町の中心部は4キロ圏内には入っていないが、多くの観光客でにぎわっており、安全管理や適切な情報提供に努める。

長野県によると、浅間山の登山口は全て封鎖し立ち入りを規制。過去の噴火の溶岩が広がる観光地「鬼押出し園」周辺を通り、長野と群馬を結ぶ「鬼押ハイウェー」は通行止めとなったが、安全が確認されたため8日午前に解除された。
長野県小諸市によると、火口から約2.3キロの登山客向け休憩施設「火山館」に非常勤職員1人が常駐しているが、無事が確認された。〔共同〕