JDI、金融支援で中国勢と契約 払込時期後ずれも

2019/8/7 22:13
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経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は7日、800億円の金融支援受け入れで中国の投資会社などと契約したと発表した。筆頭株主で官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)から200億円を新たに借り、当面の運転資金に充てることも明らかにした。ただ一連の交渉が長引いた結果、JDIは臨時株主総会を9月末に延期し、中国勢からの資金の払込時期も延びる可能性がある。再建への道はなお険しそうだ。

JDIは金融支援受け入れで中国の投資会社などと契約したが、再建はなお不透明だ

JDIは7月12日、中国投資会社の嘉実基金管理グループと香港ヘッジファンドのオアシス・マネジメントから支援を受ける方向で嘉実基金の交渉担当者から通知を受けたと発表した。ただ7月の段階では調整事項が残っていたため、関係者が協議を続けていた。

中国勢と契約したことで、INCJが200億円の追加融資を実施し、JDIの当面の資金繰りを支援する。複数の交渉関係者によると、JDIの資金繰りを安定させるため、嘉実基金などが契約締結を前にINCJに追加の金融支援を要請した。INCJはさらに200億円の追加融資を検討しているもようだ。

INCJの融資で当面の資金繰り懸念は薄れたが、今後のスケジュールはなお流動的だ。JDIは中国勢などとの契約が遅れたため、7日に予定していた2019年4~6月期決算の発表を9日に延期した。支援受け入れを決議する臨時株主総会も8月29日から9月27日に変更する。さらに19年内としていた中国勢からの資金の払い込みは、500億円は10月中に実施されるとしているが、残りは20年8月28日まで延びる可能性もある。

嘉実基金などは交渉過程でJDIへの支援に後ろ向きだった時期もあったため、枠組みが再び変わる可能性がある。JDIの発表によると、800億円のうち、100億円分については、嘉実基金が資金の出し手とまだ交渉しているという。

嘉実基金などは支援実行の条件に、(1)JDIの主要顧客から1億ドル(約106億円)の支援を受けること(2)中国の政府当局の介入がないこと(3)主要顧客からパネル購入の中止や大幅な削減がないこと(4)JDIの株価が30円を下回らないこと――をあげている。米アップルとみられる主要顧客の支援が欠かせない。

仮に払い込みが完了しても、再建の行方は予断を許さない。市場では「米アップルが20年秋発売のiPhoneから、韓国メーカーが強い有機ELパネルに全面移行する可能性が高い」(複数のアナリスト)との見方が強まっている。JDIは人員削減や生産拠点の統廃合で収益体質の改善を進める考えだが、事業環境は厳しさを増す。

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