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ソフトバンクG、保有株式評価額1兆円減
世界の市場動揺、保有株の安定売却が課題に

2019/8/7 19:40
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記者の質問に答えるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(7日、東京・丸の内)

記者の質問に答えるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(7日、東京・丸の内)

会計上巨額の利益を計上したソフトバンクグループ(SBG)だが、投資会社としての実績を示す保有株式の評価額は、26兆円と前の四半期と比べて約1兆円減少した。世界的な市場の混乱によるアリババ集団株の値下がりなどが影響した。孫正義会長兼社長は投資先について「来年の3月までに5~6社の上場がある」と明らかにした。金融市場が動揺するなか、安定して保有株の上場や売却ができるかどうかが課題となる。

SBGが重視する保有株式の価値は計26兆円。このうちアリババが11兆3千億円と最多で、ソフトバンクが4兆7千億円、スプリントが2兆9千億円と続く。ビジョン・ファンドのSBG持ち分は3兆5千億円だ。2019年1~3月期で13兆1千億円だったアリババ株の保有価値が株安に伴って減少した。ヤフーを巡るグループ再編も影響し、全体の保有価値が減少に転じた。

米携帯通信スプリントの経営権を手放すことで、SBGの投資会社としての色彩は一段と強まる。スプリントはこれまでの連結子会社から、損益が営業外で計上される持ち分法適用会社となる。このためファンド事業は営業利益全体の6割を占めるまでに拡大する。

孫氏は7日の記者会見で、第2号ファンドは「来月か再来月から投資が始まる」とした。そのうえで、「サウジアラビアとアブダビが高い関心を持っており、具体的な条件を詰めている」と明らかにした。

SBGは16年、アリババの株価の変動に伴う損益を一定の範囲内に抑えるデリバティブ(金融派生商品)契約を結びつつ、保有するアリババ株の一部を売却して利益を計上した。

4~6月期決算では、アリババ株の売却益と金融派生商品関連で計約1兆2千億円の利益を計上した。このうち金融派生商品部分については過去に損失が発生しており、通算すれば損益はほぼトントンとなる。とはいえアリババ株の売却が今回、利益額首位となる原動力となった。

課題は収益実現の継続性だ。米の対中制裁関税第4弾を機に市場では急速にリスク回避が進んでいる。

ビジョン・ファンドの投資先では、6月までにライドシェア大手の米ウーバーテクノロジーズと、ビジネス対話アプリの米スラック・テクノロジーズが上場済みだ。ファンドは両社の株保有を続けているが、市場の混乱を受けて、ウーバーの株価は公開初日の初値と比べて7%安、スラックは同20%安に沈む。

ビジョン・ファンドについて孫氏は「すでに7兆円投資して、2兆円利益を出した」と説明した。ただこうしたリターンの大半は投資先の未上場株の評価益で実現していない。

不安定さを増す市場について、孫氏は「10~20年単位でどの産業が衰退するのか、飛躍するのかが大事であって、株式相場や金利の上下は短期的なノイズにすぎない」と強気な姿勢を貫いた。

孫氏はファンドの投資先について「来年の3月までに5~6社の上場がある。来年度は10社くらい。再来年度はさらに増える」との見通しを語った。ただ世界のマネーが一斉にリスク回避に動けば、新規上場などの投資の「出口」は狭くなってくる。投資回収の継続性が問われる局面になっている。

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