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業績ニュース

世界重工4~6月期、6社中5社が最終減益 中国など設備投資減が直撃

企業決算
2019/8/7 20:30
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日米欧の主要な重工メーカーの業績が悪化している。7日出そろった2019年4~6月期連結決算では、主要6社のうち5社で純利益が前年同期に比べて減少するか、最終損益が赤字に転落した。激化する米中貿易摩擦を受け、中国や欧米で顧客企業の購買意欲が衰えている。特に自動車関連や半導体向け製造設備の落ち込みが鮮明だ。航空機関連は堅調だが、先行きへの懸念が漂う。

IHIが7日発表した決算は最終損益が27億円の赤字(前年同期は61億円の黒字)だった。同四半期として最終赤字は4年ぶりだ。中国や欧州の自動車市場の低迷で、自動車部品であるターボチャージャーが振るわなかった。同製品の属する産業機械の部門利益は2億円と9割減少した。

同日の記者会見で山田剛志副社長は「中国の自動車販売の縮小は想定外だった」と説明した。また3月末に比べて6月末は対ドルで円高が進んだことから為替差損を12億円弱計上した。

川崎重工業は世界的な半導体投資の縮小が逆風となった。半導体製造用の産業用ロボットの販売が急減し、4~6月期としては10年ぶりの最終赤字に転落した。住友重機械工業は中国のスマートフォン出荷台数減少のあおりで、スマホ部品の販売が減った。東南アジアでは建機販売が落ち込んだ。

独シーメンスの純利益は7%減の10億3200万ユーロ(約1200億円)と、4~6月期として2年連続で減益だった。

中国やドイツ、イタリアで自動車や産業機械の生産自動化システムの受注が減少したためだ。自動化などが主力の「デジタル産業」の部門利益は5億5600万ユーロと27%下落した。幹部は「米中摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などが企業の投資意欲を損なっている」という。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は火力発電向けのガスタービンの販売が伸び悩み、4年ぶりの最終赤字だった。

6社中唯一、増益を確保した三菱重工業も内実は強固とはいえない。「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の開発費減少という特殊要因が利益を押し上げており、産業機械事業の部門利益は144億円と3%減益だった。

主因はIHIと同様、自動車向けターボチャージャーの販売減で、小口正範副社長は「米中貿易摩擦で自動車販売が落ちた影響だ」と話す。

厳しい出足ながら20年3月期の通期業績を開示している国内4社は予想を据え置いた。純利益で川重と住友重は前期比で増益、三菱重とIHIは減益としている。三菱重や川重、IHIはこうした景況下でも比較的堅調さを保っている航空機向け事業が業績を下支えするとみている。

各社は米ボーイングの主力旅客機「777」や「787」、20年の投入が見込まれる「777X」向けに翼やエンジンなど主力部品を供給。修理や補修部品販売などアフターサービス需要も大きく、収益源としては安定しているためだ。

ただ、先行きは予断を許さない。米国のトランプ政権は中国に対する追加関税の「第4弾」を9月に発動すると表明。両国の応酬が激化すれば、顧客企業の投資意欲は一段と冷え込みかねない。

GEのラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)は「中国事業を含めて我々全体にどう影響を与えるか不透明だ」と指摘。三菱重の小口副社長も「中国経済の悪化が(事業の比重が大きい)東南アジアに広がれば悪影響が広がる」と新興国の動向を注視する方針だ。

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