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東芝、4~6月期「計画クリア」も残る課題

2019/8/7 20:00
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東芝が7日発表した2019年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前年同期比11倍の78億円だった。エレベーターや空調設備などの販売が好調だった。もっとも利益が伸びた要因の大半は調達コストの低減や人員削減、不採算事業からの撤退による効果。半導体関連での収益悪化など、本格的な業績回復への課題はまだ残っている。

「4~6月期は計画をクリアした」。同日、都内で記者会見を開いた平田政善最高財務責任者(CFO)は胸を張った。売上高は8131億円と3%減ったが、パソコン事業をシャープに売却したのが主因。現存の事業で比較すると増収を確保した。部門別では特に昇降機や空調設備などの「ビル設備」や、システム開発の「デジタルソリューション」が好調だった。

多くの事業で構造改革などによる収益力の底上げも進んでいる。ビル設備の営業利益は81億円と2.5倍に伸びた。上下水道や鉄道システムなどの「インフラシステム」、デジタルソリューションは前年同期の赤字から黒字に転換した。

20年3月期は5カ年の中期経営計画の初年度にあたり、営業利益は前期比3.9倍の1400億円と大幅増を見込む。通期計画に対する4~6月期の進捗率は6%。だが、平田CFOは下期に利益が偏重することなどを踏まえ、「部材調達などの改革はオントラック(計画通り)」と初年度の計画達成に自信を見せる。

一方で4~6月期の最終損益は1402億円の赤字(前年同期は1兆167億円の黒字)だった。東芝メモリホールディングス(HD)株の売却益がなくなったほか、米液化天然ガス(LNG)事業の仏トタルへの売却に伴い、900億円近い損失引当金を計上したのが大きい。

さらに現在も4割の株を保有する東芝メモリHDについては、持ち分法投資損失を381億円計上した。市況の悪化や工場の停電で同社の業績が低迷したためだ。東芝は経営危機を脱する過程で損益の振幅が大きい事業からの撤退を進めたが、最終損益では半導体市況の影響は無視できない。

本格的な業績回復に向けて取り組むべき課題はまだ残る。1つが半導体事業で手掛けるシステムLSIだ。多数の回路を1つのチップに集積させてデータ処理やシステム制御に使う。同製品を含む19年4~6月期の半導体事業の営業損益は31億円の赤字だった。中国での需要低迷や市況の悪化を受けたためだ。

かつてはソニーのゲーム機「プレイステーション」に搭載されるなど高収益だったが、足元の環境は厳しい。データセンター向けなど新しい需要をとらえきれず、固定費や開発費が重くのしかかっている。市場関係者からは「競争環境が厳しく、よほど独自性のある領域を開拓しないと安定した利益はあげられない」(JPモルガン証券の森山久史氏)との声が聞かれる。

同事業では5月に350人の人員削減を決めた。平田CFOは「基礎的な構造改革ができているかは毎月精査していく」と継続的なコスト管理の必要に言及した。

就任から2年目を迎えた車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)はかねて「3年以内に業界トップレベルの収益性を確保する」と語っている。社会インフラ事業などを中核とする新たな事業体制は順調に滑り出した。だが、中期計画の達成にはコスト削減だけでなく、本業のさらなる成長や新たな稼ぎ頭を育成することも欠かせない。

(志賀優一、野口和弘)

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