沖縄県また国を提訴 辺野古埋め立て、2訴訟並行で
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、県は7日、石井啓一国土交通相が埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたのは違法だとして那覇地裁に提訴した。県は国を相手取った別の裁判を7月に起こし、2つの裁判が並行して進む。
今回の提訴は裁決の内容自体を不服とする「抗告訴訟」と呼ばれ、行政事件訴訟法に基づく。県議会が7月に提訴関連議案を可決していた。
政府が進める辺野古移設を巡っては、県が対抗策として2018年に埋め立て承認を撤回した。石井氏は工事主体である沖縄防衛局の訴えを受けて今年4月に撤回を取り消す裁決をした。
県は石井氏の決定後、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たが6月に却下された。
県は7月17日、石井氏の決定が「国の違法な関与」にあたるとして、地方自治法に基づき福岡高裁那覇支部に提訴。政府と県の争いは再び法廷闘争に入っていた。
辺野古を巡る対立は故・翁長雄志前知事の時代にも法廷闘争に発展し、16年に県側が敗訴した。18年には翁長氏の路線を継承する玉城デニー知事が就任し、対立が続いている。