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日本代表・リーチ主将 集団の潜在意識 鍛える

ラグビーW杯 桜の頭脳たち(中)

近ごろは学校教師の風情がある。約30人の"生徒"を前にスライドを映し、日本史を講じる。ゲーム感覚で学べるクイズも出題。俳句づくりの指導まで始める。ラグビー日本代表の主将、リーチ・マイケル(東芝)が7月に始めた取り組み。練習の合間を縫って資料に当たり、日本語で教材を作成。代表の同僚に"授業"を施している。

代表チームの背景にあるものを主将から伝え、チームの芯を太くしたい考えだ

9月開幕のワールドカップ(W杯)日本大会に向けた準備だという。「フィジカルもメンタルも必要だけど、考えていないところでも相手に差をつけないといけない。だから歴史の勉強をしたりして、潜在意識を鍛える」

反省するのが昨秋のロシア戦。W杯開幕戦で当たる相手に圧勝を期すも、意外な苦戦を強いられた。直前の相手、イングランドとの力量差から心に油断が潜んでいたと分析する。「ロシア戦の前、皆の会話がちょっと変わった。相手の映像を見ても強さを感じなかった。そういうものでパフォーマンスが落ちる。自分の中の小さい声をどう鍛えるかが大事」

鎖国していた日本が海外の技術者の力も借りて近代化した歴史。初めて日本の一員としてW杯を戦った海外出身選手の思い。代表チームの背景にあるものを主将から伝えることで、チームの芯が太くなると考える。

海外からも認められる名手となったが、ニュージーランド(NZ)から来日した15歳の時は、体重76キロのひょろ長い少年だった。その冬、花薗ラグビー場での全国高校大会に臨むも「相手の留学生にこてんぱんにやられた。泣くほど悔しかった」と振り返る。雪辱を期して2年間で100キロ超まで増量。「(ラグビー人生は)花園で始まった。僕は日本で育ったラグビー選手」という誇りがある。

W杯中の10月に31歳となる。人生の半分を日本で過ごした勘定。ただ、今の代表には来日して数年の選手もいる。自覚と誇りを高める授業の意義は大きいと捉えている。

今年は恥骨炎に苦しんだ。7月末、7カ月ぶりに実戦復帰。自慢の持久力やスピードは戻ってきたが、パワーは落ちたままと危機感を抱く。「試合に出ない主将になるかもしれない」。本番まで2カ月を切ったのに、自虐的な言葉も口にする。ただし、そこは心理学にも一家言を持つ「リーチ先生」。開催国の主将として万全の状態で臨むため、あえて自らに高いハードルを課しているのだろう。

(谷口誠)

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