SUMCO会長「シリコンウエハーの引き合い減る」

2019/8/6 17:39
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シリコンウエハー大手SUMCOの橋本真幸会長は都内で開いた6日の決算会見で、米中貿易摩擦の影響で「米国の半導体メーカーの引き合いが落ちてきている」と指摘した。日本の対韓国向け輸出管理の厳格化についても「韓国の半導体生産が落ち込めばウエハーの出荷に影響するかもしれない」と景気の先行きへの懸念を示した。

記者会見するSUMCOの橋本真幸会長兼CEO(左)(6日、東証)

SUMCOが6日発表した2019年1~6月期の連結純利益は前年同期比18%減の229億円だった。売上高も同2%減の1564億円だった。スポット取引が中心である台湾プラスチックとの合弁会社のウエハー販売減が響いた。

世界景気の減速に伴うスマートフォンの販売台数の停滞などでメモリーを中心に半導体の生産調整段階にあるものの、橋本会長は「SUMCO本体のウエハーの取引数量は長期契約が中心だ」として、出荷量の大幅な落ち込みがなかったことを強調した。

同社のウエハーの主力である直径300ミリメートル品は取引の9割で3~4年程度の長期契約を結んでいる。年明けから値上げの浸透も進んでいるもようだ。半導体の生産調整で出荷を先送りしたケースもあったが、契約数量を見直してはいない。

ただ先行きの不透明感は強まっている。米中の貿易摩擦で米国の半導体関連メーカーの中では中国向け輸出が停滞しているといい「これまで契約分以上の出荷を求めていた米国の顧客が、契約分に要求数量を落としている」(橋本会長)。

アンテナや交換機といった携帯通信用の基地局の世界シェアの3割を握る中国の華為技術(ファーウェイ)に米国が制裁を科している。SUMCOは制裁によって次世代通信規格「5G」への移行が遅れ、半導体需要が落ち込む可能性をリスク要因に挙げている。

日本政府が韓国向けの輸出管理を厳格化しているが、シリコンウエハーは厳格化の対象品目にはなっていないという。ただ橋本会長は「(半導体基板の洗浄などに使い、輸出厳格化の対象となっている)フッ化水素では韓国の半導体メーカーは十分な在庫を持っていないようだ」と指摘。フッ化水素が不足して半導体生産が滞った場合には「(長期契約を結んでいても)ウエハーを無理やり出荷することはできないかもしれない」と懸念を示した。(後藤宏光)

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