「生きづらさ理解して」 発達障害といじめ、映画に

2019/8/6 11:49
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発達障害があることを理解されず、いじめの標的になる少年を主人公にした短編映画「アマノジャク・思春期」が東京都内で公開されている。周囲の子どもが少年の言動を「特異」とみなし、教室から排除しようとする様子をリアルに再現した。岡倉光輝監督(31)は「一人一人が抱える生きづらさを理解してほしい」と訴えている。

 同級生からいじめにあう主人公・光(映画「アマノジャク・思春期」から)=共同

 岡倉光輝監督(7月、東京都世田谷区)=共同

映画は、学校生活に悩み、不登校経験もある岡倉監督の実体験に基づいたストーリーだ。舞台は発達障害者支援法が施行される2005年より前の、発達障害がまだほとんど知られていない時代。小学6年の光は他人の気持ちを読み取ったり、自分の感情を言葉で表現したりすることが苦手な発達障害を抱えていた。

下顎が突き出る「下顎前突症」でもあり、同級生によるからかいの対象に。ばかにされた怒りを言葉で説明できず、暴れるなど衝動的な行動に出てしまう。気持ちを理解せず「困った子」と見なす親や教師たち。いじめをエスカレートさせる同級生。映画は、光が孤立を深めていく様子を描いている。

自身も下顎前突症だったという岡倉監督。滑舌が悪く言葉を聞き取ってもらえないことや、給食を口元からこぼすことをからかわれる経験が重なり、常に「笑われているのでは」と恐怖心を抱えていたと明かす。高校2年の時に不登校になり、結局中退。19歳で矯正手術をした後も対人関係に悩むことが多く、後に発達障害の傾向があると診断された。

岡倉監督は「発達障害のある人への理解は今も十分とは言えない」とし「見えづらい障害のある当事者の苦しみをすくい上げたい」と語る。本格的な創作映画の撮影は初めてだが、地方都市の複数の映画祭で受賞するなど注目を集めている。

今月9日まで東京都世田谷区の下北沢トリウッドで上映。全国での上映も呼びかけている。〔共同〕

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