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インドネシアやインド、32年五輪招致に熱視線

経済成長著しいアジアの新興国が相次いで夏季五輪招致に乗り出した。インドネシアは2月、国際オリンピック委員会(IOC)に2032年五輪開催の意向を伝え、インドも招致を目指す。経済大国としての存在感を世界に周知する狙いだ。国際大会開催で実績を積み、東京五輪も手本に東南アジアや南アジアで初の栄誉を担うことを見据える。

インドネシアのジョコ大統領は2018年9月1日、アジア大会の閉幕前日にIOCのバッハ会長と会い、32年五輪への立候補を表明した。ジョコ氏は「アジア大会の経験をふまえれば、インドネシアはもっと大きな大会を開催できる」と述べた。同国オリンピック委員会のエリック・トヒル会長は「ジャカルタで開催したい」と話す。

海外プロサッカーやバドミントンなど特定のスポーツ以外への関心が低いとされるインドネシアだが、アジア大会では国民がスタジアムに殺到し、選手に声援を送った。国民の熱狂を目の当たりにして、政治家やスポーツ関係者もがぜん招致に熱を入れる。

インド・オリンピック委員会は2018年12月、IOCに32年五輪招致の意向を正式に伝えた。ニューデリーやムンバイが開催都市の候補となる。インフラ整備への巨額な資金や都市部での深刻な大気汚染などの課題を指摘する声は多いが、ナリンダー・バトラ会長は「インドは招致を真剣に考えている」と前向きだ。

ほかにもシンガポールとマレーシアが共催を一時模索したほか、韓国と北朝鮮も昨年の首脳会談で共催を目指す姿勢を示すなど、アジアでは32年の五輪開催に向けた動きが活発化する。

背景にはアジアの経済成長がある。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の予測では、インドは30年に国内総生産(GDP)で世界3位に浮上する。インドネシアも10位以内に入る。五輪を開けば、世界の主要経済国の仲間入りを世界にアピールできる。

アジアでは、1964年に東京で初めて五輪が開かれた。日本はその後、高度経済成長をへて経済大国へと変貌した。88年にはソウル五輪で韓国が工業国としてのイメージを世界に広げたほか、2008年の北京五輪で中国は名実ともに世界の大国として国際社会に認知された。

招致を目指すアジア新興国は20年東京五輪に注目する。既存施設を生かしたコンパクトな大会、夏の暑さ対策のノウハウを吸収するためだ。インドネシア・オリンピック委員会のトヒル会長は「東京の環境対応も参考にしたい」と話す。自身も五輪期間中に東京を訪れる考えだ。

32年五輪の開催都市は25年のIOC総会で決定する見込みだ。アジア以外ではドイツのケルンなど13都市の共同開催、オーストラリアのブリスベーン、アルゼンチンのブエノスアイレスなども招致の準備を進める。強力なライバルを相手に成長著しいアジアの都市がどこまで輝けるか。熱い招致合戦が始まっている。

(ジャカルタ=鈴木淳、ニューデリー=キラン・シャルマ)

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