中国、米農産品の購入を一時停止 政府発表
【北京=羽田野主】中国商務省は6日未明、米国からの農産品の購入を一時停止すると発表した。トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」の発動を表明したことへの制裁措置としている。トランプ米政権の反発は必至で、米中貿易交渉はますます対立が深まりそうだ。

米国が9月1日に発動する予定の追加関税について、中国商務省は「6月末の米中首脳会談での共通認識に重大に違反している」と批判した。
中国政府は8月3日以降に取引が成立した米国の農産品の購入について、中国の米国への報復関税を適用する方針だ。合わせて中国の関連企業はしばらく米国の農産品の購入を見合わせる。
これに先立ち中国国営中央テレビ(CCTV)は5日、中国の国家発展改革委員会の幹部が米国産の大豆やコーリャン(もろこし)、小麦などについて「中国の関連企業は買い付けを続けていると説明した」と伝えた。
干し草、豚肉、綿花なども幅広く買い入れたと主張していた。わずか半日足らずで方針転換ともとれる中国メディアの伝え方は、習近平(シー・ジンピン)指導部の内部での意見の対立や混乱を指摘する声もでている。
米中の閣僚級協議は9月にワシントンで開く予定。米中で農産品を巡り「買う」「買わない」の駆け引きが繰り広げられる可能性がある。