フル規格整備方針、地元合意は遠く 長崎新幹線

2019/8/5 19:20 (2019/8/5 20:18更新)
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九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の未着工区間、新鳥栖―武雄温泉(佐賀県)について、与党検討委員会は5日、フル規格で整備する方針を決めた。来年度の予算化に向けて国や佐賀・長崎の両県、JR九州に協議を促して実現化を目指す。だが佐賀県はフル規格での整備に慎重な姿勢を示し、合意形成は不透明なままだ。

同区間の整備を巡り、当初は在来線を活用することで国や佐賀・長崎の両県、JR九州が合意した。だが昨年、新幹線と在来線を乗り換え無しで走行するフリーゲージトレイン(FGT)の導入を国が断念したことを機に関係者の意見が対立。長崎県やJR九州は時間短縮効果などからフル規格を要望する一方、佐賀県は財政負担や並行在来線の経営分離への警戒感などから早期に結論を出すことを拒否している。

議論が長期化した場合、2022年度に武雄温泉―長崎間がフル規格で暫定開業しても、武雄温泉で乗り換える「リレー方式」が続くことになり、乗客の利便性が低下する。関係者からは計画が同時進行する北陸新幹線の大阪延伸に遅れる危機感もにじむ。

検討委は6月ごろまでに出すとしていた結論を参院選後に持ち越した。8月末の来年度予算概算要求をにらみ、投資効果が最も大きいフル規格が適当と判断した。

■佐賀知事は「困惑」

与党検討委員会の結果を受け、佐賀県の山口祥義知事は「発表もなく、議論内容がよく分からない」と困惑した様子だった。5日午前中に山本幸三委員長から電話があり、山口知事は「中央から(地元の意向を無視して)押し切るようなことがあってはいけない。これまでのヒアリングを踏まえて頂きたい」と早急な合意形成に反対の立場を改めて伝えた。

長崎県は「公式な情報が何もなく、現状についてはコメントのしようがない」(新幹線・総合交通対策課)とした。

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