広島被爆74年、核廃絶の願い次代へ 「原爆の日」

2019/8/6 8:25
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原爆慰霊碑に向かい犠牲者の冥福を祈る人たち(6日午前、広島市中区の平和記念公園)

原爆慰霊碑に向かい犠牲者の冥福を祈る人たち(6日午前、広島市中区の平和記念公園)

広島は6日、被爆から74回目の「原爆の日」を迎えた。広島市の平和記念公園で「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が開かれ、被爆者や遺族、安倍晋三首相ら約5万人が参列した。松井一実市長は平和宣言で、自国第一主義の台頭で核廃絶の動きが停滞していると指摘。「一人ひとりが主張の違いを乗り越え『寛容』の心を持たねばならない」と訴えた。

令和となって初めての原爆の日の式典。2018年より4カ国多い89カ国と欧州連合(EU)の代表が出席した。

松井市長は平和宣言で初めて被爆者の短歌を紹介した。「おかっぱの頭(ず)から流るる血しぶきに 妹抱きて母は阿修羅(あしゅら)に」。5歳で被爆した女性が、血だらけになった妹を抱きかかえる母を後に詠んだものだ。

原爆慰霊碑に向かい手を合わせる人たち(6日午前、広島市中区の平和記念公園)

原爆慰霊碑に向かい手を合わせる人たち(6日午前、広島市中区の平和記念公園)

「心身に深刻な傷を負い続ける被爆者の訴えが皆さんに届いていますか」と問いかけた。

核兵器を取り巻く情勢は不透明感が漂う。2日には米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効。松井市長は「核競争が激化した際、米ソの間で理性の発露と対話によって核軍縮にかじを切った勇気ある先輩がいたことを思い起こしてほしい」と求めた。

17年に核兵器の開発や使用、保有を禁じる核兵器禁止条約が国連で採択されたが、唯一の戦争被爆国である日本は参加していない。「署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めてほしい」と政府に求めた。

安倍首相は核兵器のない世界の実現に向け努力を続けることが「令和の時代においても変わることのない我が国の使命」と述べ、非核三原則を堅持しつつ、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努めるとした。昨年に続き核兵器禁止条約には触れなかった。

慰霊碑にはこの1年に死亡、または死亡が確認された5068人の名簿が納められ、広島の原爆死没者は31万9186人となった。

原爆ドームに向かって手を合わせる男性(6日午前、広島市中区の平和記念公園)=目良友樹撮影

原爆ドームに向かって手を合わせる男性(6日午前、広島市中区の平和記念公園)=目良友樹撮影

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