理研退職の高橋政代氏、スタートアップで新治療に挑む
神戸のビジョンケア社長に

2019/8/5 17:40
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高橋政代氏はスタートアップのビジョンケア社長として、細胞治療に限らず新しい治療法に取り組む(写真は4月)

高橋政代氏はスタートアップのビジョンケア社長として、細胞治療に限らず新しい治療法に取り組む(写真は4月)

理化学研究所を7月末に退職した高橋政代氏は5日、日本経済新聞社などの取材に応じ、スタートアップ企業のビジョンケア(神戸市)の社長に1日付で就いたと明らかにした。高橋氏は理研でiPS細胞を使う再生医療研究を進めてきた。理研は再生医療スタートアップのヘリオス大日本住友製薬などとiPSを使った目の治療の実用化を目指してきたが、ビジョンケアは細胞治療に限らず新しい治療法に取り組む。

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ビジョンケアは目の難病治療の新手法などを研究開発する体制を整え、早期の実用化を目指す。高橋氏はヘリオスとの共同研究を終えたという。

一方、ヘリオスは「国内での大日本住友製薬との共同開発体制に変更はない」とのコメントを1日に出した。大日本住友製薬の担当者は「理研、高橋氏と引き続き連携する。準備中の臨床試験(治験)への影響はない」と話す。高橋氏はこれまでとは異なる治療法も含めて研究する方針だが、将来的にへリオスとの間で競合が生じる可能性もありそうだ。

具体的には、理研などは2014年に難病の加齢黄斑変性の患者に本人のiPS細胞から目の網膜細胞を作って移植する世界初の手術を臨床研究として実施。他人のiPS細胞から作った網膜細胞を移植する手術も手掛けた。安全性を確かめ実用化へ「7合目まで来た」(高橋氏)。治験は大日本住友製薬とヘリオスが準備中で19年度中の開始を目指している。

高橋政代氏(右)は理研で難病の加齢黄斑変性の患者に、本人のiPS細胞から目の網膜細胞を作って移植する世界初の手術を手掛けた(写真は2015年)

高橋政代氏(右)は理研で難病の加齢黄斑変性の患者に、本人のiPS細胞から目の網膜細胞を作って移植する世界初の手術を手掛けた(写真は2015年)

高橋氏はヘリオスの創立者の一人。だが、現在は経営に関わっていない。「(ヘリオスが)網膜疾患の治療をメインの事業とする会社ではなくなり、運営方針に関する考え方の差も広がったため関わることはできないと判断した」と今回の決断に至った経緯を説明した。

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