2019年9月23日(月)

山中伸弥教授、がん治療に「IT業界の力を貸して」

BP速報
2019/8/5 18:00
保存
共有
印刷
その他

日経クロステック

「一人一人に合った治療を行うため個人の健康に関するデータを集めることが重要だ」――。楽天は8月2日、「Rakuten Optimism 2019」で「医療最前線:がん治療の革命児たち」と題したパネルディスカッションを開催。登壇した京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授の山中伸弥氏は、がん治療の研究開発におけるIT(情報技術)業界への期待を語った。

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授の山中伸弥氏(写真:日経 xTECH)

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授の山中伸弥氏(写真:日経 xTECH)

山中氏が所長を務めるCiRAは現在、iPS細胞から免疫細胞を作り、がん治療に応用する研究を手掛けている。山中氏はパネルディスカッションで、同じがんにかかっても、患者ごとに遺伝子のパターンなどが違うことを説明。「患者一人一人に合った治療を行う時代になった。個人の健康に関するデータの蓄積が非常に重要だ。そのためにIT業界の力をぜひ貸してほしい」と話した。また、インターネット上にある大量の情報の中から、患者が正しい情報を集められる仕組みが必要だとの認識を示した。

■人類はいつ、がんを完全に克服できるか?

モデレーターからの「人類はいつ、がんを完全に克服できるか」との質問に対して山中氏は、「答えるのが難しい質問だ。治療法が格段に進歩しているので5年以内には相当状況が良くなると思うが、完全に克服するには長期間かかるだろう。なかなか一筋縄ではいかない」と答えた。

同じくパネルディスカッションに登壇した、故スティーブ・ジョブズ氏の担当医でもあり米国で著名な南カリフォルニア大学(USC)ケック医学校教授のデイビット・B・エイガス氏は、「根治は難しくても、がんを制御できるようになってきた」とコメントした。

楽天が出資する楽天メディカル(米カリフォルニア州)が手がける「がん光免疫療法」を開発した小林久隆・米国立がん研究所主任研究員は「全てのがんが治るというのは現実的ではない。だが、がんが大勢の死因でなくなる時代はそう遠くない時期に来るのではないか」と語った。

同日に楽天は、楽天メディカルに対して1憶ドルの追加出資をしたことを発表した。増資後、楽天グループによる楽天メディカルへの出資比率は22.6%となった。

(日経 xTECH/日経デジタルヘルス 高橋厚妃)

[日経 xTECH 2019年8月5日掲載]

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。