中国企業、豪綿花農場の株売却 豪政府要請に対応

2019/8/5 15:21
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【シドニー=松本史】中国の繊維大手、山東如意科技集団などの企業連合は5日までに、オーストラリア最大の綿花農場、カビー・ステーションの保有株式49%を豪金融大手、マッコーリーグループ系の農業ファンドに売却した。残る51%は山東如意が保有を続ける。企業連合は2012年にカビーの買収を発表したが、豪政府は51%まで持ち分を減らすことを買収の条件にしていた。

カビ-・ステーションは広大な綿花農場を運営する=AAP

豪政府は15年10月までの売却を求めたが、山東側から売却先を見つけられないとの申し出があり、16年に3年間の延長を認めていた。株式の売却額は明らかにしていない。

カビー・ステーションは豪東部、クイーンズランド州で計9万3千ヘクタールの綿花農場を運営する。干ばつ被害が多い豪州で、大量の水の利用権を保有するカビーを中国企業が買収することに国内から反発があった。

豪政府は中国勢の買収攻勢を念頭に農水産業への外資規制を強めている。15年3月には、外国企業が農地を買収する際、事前審査が必要となる投資額を従来の2億5200万豪ドル(約180億円)から1500万豪ドルまで大幅に引き下げた。18年2月には農地売却時、豪国内の買い手を対象に最低30日間、広告を出すことを義務付けると発表した。

マッコーリーと山東如意は共同声明で、今後干ばつが発生した際には最大100億リットルの水を地域に提供すると表明した。またマッコーリー系ファンドのリズ・オライリー氏は「我々は豪農業部門で10年以上の投資と管理の実績があり、地域への責任も理解している」と強調した。懸念払拭が念頭にあるとみられる。

山東如意は中国有数の繊維大手で、原料調達から衣服製造まで幅広い事業展開で知られる。日本のアパレル、レナウンの親会社で、伊藤忠商事とも資本・業務提携している。

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