コンゴでエボラ感染拡大 発生1年で死者1800人超

2019/8/4 17:58
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【ナイロビ=木寺もも子】アフリカのコンゴ民主共和国(コンゴ、旧ザイール)でエボラ出血熱の流行が深刻化している。2018年8月に政府が集団感染を宣言して以降の死者は1800人を超え、世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発するなど過去2番目の規模の流行になっている。7~8月には新たに大都市部での感染例が確認されるなど終息の見通しは立たず、国外に広がる恐れも出ている。

1日、コンゴ民主共和国東部ゴマでは住民へのワクチン投与が行われた=ロイター

「人口集中部での(感染確認の)事例はさらなる拡大への現実的なリスクを浮かび上がらせる」。国連は7月31日の声明で、コンゴ東部の都市ゴマで確認された2人目の感染事例を受け、エボラの流行が「国境を越えかねない」との懸念を示した。

人口約200万人を抱えるゴマは人の移動が盛んな大都市で、隣国のルワンダに近い。ルワンダはゴマでの感染確認を受けて一時、国境を閉鎖したとの情報がある。ルワンダ政府は国境閉鎖を否定しているが、検問は強化しているもようだ。

ゴマからの空路はコンゴ国内線のほか、ウガンダやエチオピアなどに向かう国際線もある。6月にはウガンダでもエボラの感染が確認されており、周辺国は警戒を強めている。

今回のコンゴでの集団感染は18年8月1日に同国保健省が宣言した。WHOによるとこれまでに2600件超の感染事例があり、子供など1800人以上が死亡した。感染件数は3月に1000件を超えた後、倍増のペースになっている。WHOは7月、感染症が発生国から他の国へ拡大する危険があり、国際的な対応が必要になることを意味する緊急事態宣言を出した。

感染の拡大に歯止めがかからない背景には、エボラが流行するコンゴ北東部の不安定な政治・社会情勢がある。ウガンダ、ルワンダを巻き込んだ紛争地帯では、反政府武装勢力などが活動する。エボラ根絶に取り組む医療従事者が襲撃を受けるケースがあるほか、住民の間にも政府などへの不信が生まれ、治療や予防活動が行き渡らない。

エボラウイルスは血液や体液を介して感染する。高熱や頭痛の症状から始まって、下痢や嘔吐(おうと)が続く。皮膚から出血することもあり、脱水症状や多臓器不全で死に至る。

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