米、豪北部の軍事施設増強へ 中国の進出に対抗

2019/8/4 17:46
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【シドニー=松本史】米国とオーストラリアは4日、シドニーで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、インド太平洋地域での連携強化を確認した。両国とも海洋進出を進める中国への警戒を強めており、協議後の共同会見では米海兵隊が巡回駐留する豪北部の要衝、ダーウィンにある両国の軍事施設を米国の資金で増強する方針を明らかにした。

協議後記者会見する米国のポンペオ国務長官と豪州のペイン外相(4日、シドニー)=AP

ダーウィンには、米豪の協定に基づき、2012年から米海兵隊が巡回駐留している。駐留規模は拡大を続け、19年は2500人と18年から900人増加している。豪メディアによると今回の軍事施設の増強に充てる米側の拠出額は2億ドル(約220億円)にのぼる。

両国の念頭にあるのは太平洋全域に影響力を広げる中国だ。ダーウィンの西方にはインド洋があり、中国が軍事拠点化を進める南シナ海にも比較的近い。このため中国も重視しており、15年には同国企業がダーウィンの99年間の港湾管理権を獲得。米軍の活動に支障が出る恐れがあるだけに、米豪は危機感を強めていた。

4日の2プラス2では安全保障面での連携強化で一致したが、経済面では温度差もうかがわせた。ポンペオ米国務長官は「我々の友好国を汚職や借金まみれにする(中国の)投資を注視する」と非難したが、豪側は名指しの中国批判は控えた。

背景には最大の貿易相手国である中国との関係が悪化すれば、国内経済への足かせになりかねないとの危機感がある。豪州は18年8月、米国の要請を踏まえ、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を次世代通信規格「5G」から除外すると決定した。

ただその後、中国で豪州産石炭の通関手続きが遅延していることが判明し、中国によるけん制との見方も出た。ペイン豪外相は「地域の安定のため、重要なパートナーである中国とも緊密に連携する」と述べるなど、中国への配慮もみせた。

2プラス2では米側がホルムズ海峡を通る船舶の安全確保のため同盟国に参加を呼び掛けている有志連合への参加も要請した。ただ、レイノルズ豪国防相は記者会見で参加について「何も決まっていない」と述べるにとどめた。

豪州の原油の輸入はアジアからが中心で、中東依存度は低い。欧州で有志連合への不参加を表明する国が相次いでいるだけに、豪政府内では慎重論が強まっている。

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