トウモロコシ迷路で農業の新モデル 鶴岡市のベジパレット

2019/8/2 19:37
保存
共有
印刷
その他

山形県鶴岡市の月山高原に巨大なトウモロコシ迷路がお目見えした。地元にUターンし、新規就農した兄弟がつくるベジパレット(山形県鶴岡市)が7月にオープンした。庄内平野や鳥海山を一望する広大な景観の開拓地だが後継者不足は深刻で、農業と観光の新たなモデルを目指す。

トウモロコシ迷路をつくった高田さん(山形県鶴岡市)

鳥海山を望む景観も楽しめるトウモロコシ迷路(山形県鶴岡市)

迷路は高さが2メートル以上になる飼料用トウモロコシ(デントコーン)畑にあり、6000平方メートルとサッカーコートに近い広さ。代表の高田庄平さん(36)が米国留学時の体験をもとに作った「脱出までに40分はかかり、成功するのは3人に1人」という本格的な迷路だ。

料金は500円。別料金で隣接地のブルーベリーが食べ放題となる農園もつくった。もっとも看板は手作りで一見すると畑にしかみえない場所。観光地として整備されているわけではないが、幼稚園にビラを配るといったPRですでに4000人が訪れたという。

東京のIT企業に勤めていた高田さんは2010年に鶴岡に戻り、祖母の小さな農地を手始めに規模を拡大。アパレル会社に勤めていた弟の耕作さん(30)も加わり、現在は合計12ヘクタールでニンジンなどを栽培する大規模生産者になった。

農業経験はゼロだったが、地域であまり栽培されていなかったアスパラガスに着目。勉強会などを通じて知り合った県内と茨城県の農家に師事し、土の成分分析を通じて品質を高め、インターネットや地元スーパーなどに販路を広げた。「最初の5年間は学習塾の英語講師などで稼ぎ、あらゆるツテをたどって栽培技術を習得した」という。

18年からは収益性などからニンジンに転換。ジュースに加工販売するなど複合的に収益をあげられるようになり、今後は観光を組み合わせたモデルを目指す。「北海道美瑛町のような農業の景観をいかした観光地づくりが可能」とみて、飲食施設なども作る予定だ。

鶴岡市の農業産出額は全国有数の規模だが後継者難が深刻。高田さんは行政などの就農支援は利用せず自力で事業を広げた。「抜きんでた農家は後継者を増やそうとノウハウを無償で提供してくれる」といい、「ユーチューブでファンを作って販路を確保し、利益を設定して逆算するなど経営戦略が重要だ」と指摘している。

(山形支局長 浅山章)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]