首都圏のふるさと納税、205億円 5年ぶり減

2019/8/2 19:24
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総務省が2日発表した2018年度のふるさと納税現況調査によると、首都圏(1都3県と山梨県)の受け入れ額は205億円と17年度より3%減った。減少は5年ぶりで、全国の受け入れ額の4%にとどまる。返礼品を見直した自治体や返礼品競争に加わらなかった自治体が苦戦している。

自治体はふるさと納税の使途に知恵を絞る(ふるさと納税で全国から寄付を募り整備した東京都調布市の「鬼太郎ひろば」)

自治体はふるさと納税の使途に知恵を絞る(ふるさと納税で全国から寄付を募り整備した東京都調布市の「鬼太郎ひろば」)

全国の受け入れ額は40%増の5127億円だった。首都圏の割合は13年度(17%)の4分の1まで落ち込んだ。最も減少額が大きい神奈川県寒川町は、約15億円から1億円以下と96%の激減だった。17年度は期間限定で返礼品に加えた旅行券に寄付者が殺到した。町の担当者は「返礼品に旅行券があれば色々な事業ができた」と残念がる。

東京都渋谷区は減少率がほぼ100%近い。1年前は大口の寄付があった。担当者は「ほかの自治体と違い返礼品があるわけではなく、純粋な寄付に頼っているので増加し続けるのは難しい」。42%減の千葉市も300万円以上の納税者が大きく減ったという。

最も金額が増加したのは山梨県富士吉田市で30%増の22億円だった。総額でも首都圏で1位だった。総額トップ10の半数を山梨県勢が占める。フルーツなど農畜産物の返礼が好調だった。

新たにトップ10に入った千葉県長生村は77%増加した。返礼品として1番人気の長生村産の米「ふさこがね」の取扱量を増やしたほか、村内の宿泊施設の宿泊券などが人気を集めている。

埼玉県北本市は18年度の受け入れ額が前年度の6倍以上になった。市内の工房で縫製する銀座英国屋のスーツ仕立て用補助券が人気だという。

ただ首都圏では流出額の方がはるかに大きい。ふるさと納税をした人の19年度分の個人住民税控除額は計1575億円。18年度より34%増え過去最多を更新した。全国の5割近くを占める。

特に都内の自治体からの流出が多く、小池百合子知事は「地域住民が行政サービスを受けるべき税収がほかの自治体に移転している。受益と負担という地方税の原則から外れたものだ」と憤る。

横浜市の控除額は32%増の136億円と首都圏市区町村で最多だった。林文子市長は「かなり大きな減益」とし、対抗策として「横浜の魅力を感じてもらう体験型の返礼品を検討している」と話す。20年度からの開始を目指す。

さいたま市も国際マラソンの参加券など体験型の返礼品に注力する考え。清水勇人市長は「ふるさと納税でないとなかなかできない取り組みを増やし、ほかの都市がさいたま市とつながっていく機会を増やす努力をしたい」と話した。

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