さいたま市、固定資産税の業務にAI導入 作業時間9割削減へ
さいたま市は固定資産税の評価業務で人工知能(AI)を活用する。課税対象となる家屋の新築や増築などを判断する際、これまでは年初に航空撮影した家屋の写真を委託業者や市の職員が前年の写真と目視で比較していた。これをAIに代えることで調査時間を約9割削減し、効率よく業務を進める。
本格的な活用は2020年1月から始める。AIは航空写真をもとに、前年なかった新しい家屋や増築された家屋などを自動で認識するほか、変化のあった箇所を地図上で示せる。従来、委託業者が変化のあった箇所を一覧にまとめて市職員が地図上に落とし込んでいたが、この作業がなくなる。
AIが的確に家屋の有無を判断できるため、職員が現場に赴いて調査する時間も削減できる。固定資産税の評価業務には586時間かかっていたが、AIの導入で63時間まで減らせるとみる。NECソリューションイノベータ(東京・江東)がAIの開発に携わった。
同市は20年1月より各区役所の税事務を統合し、市内2カ所の事務所で行う予定。業務効率化が見込まれる一方、現地調査へ赴く時間がこれまで以上にかかることから、AI導入を決めた。