設備投資18%増、中国5県の今年度 新型車投入がけん引

2019/8/1 19:06
保存
共有
印刷
その他

中国地方で新製品の開発や生産能力の底上げに向けた設備投資が伸びている。日本政策投資銀行中国支店が1日発表した2019年度の中国5県の設備投資計画は、前年度実績比17.9%増の7168億円。広島県ではマツダが新型車の投入を始めたことで、サプライヤーの投資意欲も旺盛だ。非製造業ではインバウンド(訪日外国人)の増加を背景に、ホテル建設が相次いでいる。

中国地方の設備投資の伸び率は全国10地域の中で、北陸地方(29.2%)に次ぐ高い水準となった。製造業は21.8%増の5499億円と、4年連続の増加を見込む。中国地方は他の地域と比べても製造業の割合が高く、自動車や化学、電気機械が全体の伸びを下支えしている。

製造業での伸びをけん引するのはマツダだ。エンジンなどを刷新した新型車の投入などにより、18年度からの4年間、通常の設備投資を2500億円上乗せする。

新型車の開発・生産に伴う投資は部品メーカーにも波及する。バンパーやダッシュボードなどを手掛けるダイキョーニシカワは20年3月期の設備投資額は前期比65%増の270億円を見込む。同社は広島県東広島市に新本社と工場、開発を一体にした拠点を建設中。投資額は建物や土地だけで125億円で他に生産設備などが別途かかる。

山口県では化学での設備投資が伸びる。トクヤマ(山口県周南市)の20年3月期の設備投資額は前期比55%増の286億円の計画。半導体の製造過程で使われる薬品の増産に向け、工場の拡大などを進める方針だ。

電気機械での投資が目立つのは島根県。出雲村田製作所(島根県出雲市)は基幹電子部品のセラミックコンデンサーの新工場を建設中だ。20年春の稼働を予定する。既存工場の生産設備の増設と合わせ、投資額は400億円に上る。鳥取県では卸売業や小売業での新規出店の増加で非製造業が54%増と大幅に伸びる。

岡山県は中国5県で唯一、マイナスに転じた。18年度に三菱自動車水島製作所(岡山県倉敷市)が生産体制を増強し、大規模な火力発電所の新設などの大型投資があったため、19年度は反動減となる。ただ、岡山市中心部や水島臨海工業地帯(倉敷市)周辺ではホテルの建設ラッシュが続いており、「金額自体の水準は依然として高い」(政投銀岡山事務所)。

各県で高い水準の設備投資計画を見込むが、「手元資金の範囲内での投資を計画する企業が多い」(政投銀中国支店)。資金調達がしやすい低金利環境は目立った追い風にはなっていないもようだ。米中貿易摩擦など海外経済の動向については「製造業を中心に不透明感は広がっているが、全体としては底堅い」(同支店)とした。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]