楽天、3980円以上の買い物で配送無料

2019/8/1 19:30
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楽天は自社物流を強化する

楽天は自社物流を強化する

楽天は1日、通販サイト「楽天市場」で3980円以上の買い物をした場合の配送料を無料にすると明らかにした。2020年春までに始める。同時に物流インフラの整備に10年で1300億円を投じて自社物流網などを拡充する。アマゾンジャパン(東京・目黒)との競争が激化する中、物流面での遅れを取り戻す。10月に携帯電話事業への参入も控えるなか、祖業の収益基盤をテコ入れする。

三木谷浩史会長兼社長が1日、横浜市内で開いた事業説明会で明らかにした。購入額が3980円以上で配送料を無料にする制度を設けることにした。3980円未満の配送料は出店事業者が独自に決める。

三木谷社長は「楽天市場への不満で一番多いのは配送料だ」と話した。楽天市場では出店事業者ごとに自前で配送業者と契約するため、配送料が異なっていた。合計額がいくらになるか分かりにくく、購入するのを途中でやめる消費者も多かったという。

競合のアマゾンは届け先が本州・四国なら配送料は一律400円だ。2000円以上購入したり、有料の「プライム」会員になったりすれば配送が無料になる。楽天は料金設計を見直して、アマゾンに対抗する。

ただ、配送ルールの変更に伴い出品事業者が負担する発送コストが高まる可能性があるため、丁寧な説明が求められる。三木谷社長は説明会に参加した取引先に「消費者目線で成長していくことを合意してほしい」と訴えた。

三木谷社長は「ネットショッピングは流通の主流になっている。大型投資で日本の物流プラットフォームを変える」と語り、今後10年で物流施設の新設や不足するトラック運転手の確保など物流関連に約1300億円を投じる方針も示した。

まず、20年中ごろに物流施設を千葉県習志野市(延べ床面積7万4000平方メートル)と神奈川県大和市(同9万5000平方メートル)で稼働させる。各地の配送センターも増やし、19年中に自社物流の人口カバー率を現在の3割から6割に増やす。

楽天は出品事業者の物流を代行するサービスを広げて品ぞろえの充実につなげるとともに、消費者の満足度を高める考えだ。自社物流に切り替えればアプリでの配送状況の通知や、指定場所に荷物を置く「置き配」などのサービスを提供でき、消費者の利便性が高まる。

楽天の18年12月期の国内の電子商取引(EC)事業の営業利益は613億円と前の期比で18%減少している。競合のアマゾンは中小物流業者を組織化して自社物流網の構築で先行するなど、楽天の危機感は強い。

楽天は10月に参入を予定する携帯電話事業に最大6000億円を投じるなど、中長期で巨額の投資資金が必要となる。物流でも思い切った大型投資でEC事業の稼ぐ力を取り戻せるかが、今後の成長戦略を左右しそうだ。

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