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セーリング吉田・吉岡組 連係磨き連覇に挑む
女子470級、五輪会場・江の島で世界選手権

Tokyo2020
2019/8/1 17:17
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セーリングは今月、東京五輪の舞台となる神奈川・江の島で主要大会が相次ぎ開催される。注目は4日から世界選手権が始まる470級。五輪で採用されている全10種目のうち、日本が過去に唯一メダルを獲得している「お家芸」で2年連続の世界一に挑むのが、女子の吉田愛、吉岡美帆組(ともにベネッセ)だ。ペアを結成して7年目、コンビネーションに磨きをかけてきた。

スキッパーの吉田がかじ取りを担い、クルーの吉岡(右)は体を大きく外に傾けて艇のバランスを保つ(神奈川・江の島沖)

スキッパーの吉田がかじ取りを担い、クルーの吉岡(右)は体を大きく外に傾けて艇のバランスを保つ(神奈川・江の島沖)

「会場も時期も同じ。来年のことも考えながら臨みたい」。吉田が語るように、今年の大会は五輪前哨戦としての意味が小さくない。風や波の感覚をつかもうと、海外勢も7月から江の島入りして調整している。

小学生でヨットに乗り始めて以来、江の島を「庭」としてきた吉田いわく「そよそよと南風が入ってくるのが夏の江の島」。つまり弱い風を余すことなく確実に帆にとらえ、艇の推進力に変えるにはスキッパーとクルーの連係がカギとなる。それこそ、38歳のベテランスキッパーが自信を深めている部分でもある。

世界選手権銀メダル(2006年)に世界ランキング1位(08年、12年)など数々の実績を残してきた吉田と組むのは、28歳のクルー吉岡だ。「年齢差があって性格も真逆。周りから凸凹コンビと言われるけど、本当にそう」と吉田も笑うペアは13年に結成された。

メインセールとかじ取りを行うスキッパーに対し、クルーはジブセール(小さい帆)の操作に加え、体を外に投げ出して艇の傾きを調整する役を担う。長身なほど有利で、吉田が目をつけたのも身長177センチと恵まれた吉岡の体格だった。

吉田(左)と吉岡。10歳の年の差がある2人がコンビを組んで7年目になる

吉田(左)と吉岡。10歳の年の差がある2人がコンビを組んで7年目になる

もっとも、経験が天と地ほども違う。08年北京、12年ロンドンと2度の五輪でメダルを逃した悔しさを糧に現役を続ける吉田の高い要求に、高校から競技を始めた吉岡が応えるのは容易ではなかった。性格でも「自分にも人にも厳しく、思ったことは何でも言ってしまうタイプ」の吉田に対し、吉岡は無口で控えめだ。「考えていることが分からなく、ぎくしゃくした時期もあった」と吉田は振り返る。

それでも必死に食らいつく吉岡の頑張りが、2人の差を埋めた。16年リオデジャネイロ五輪では5位入賞。さらに大きかったのが吉田が17年6月に出産で休養した1年間だという。この間、吉岡は外国選手と組んで練習、試合を転戦した。「自分の中で完成形と思っていた技術も違う視点から学べた」。それまでは競技に専念してきたが、所属先の会社で働き、語学留学もした。「全ての経験が自信につながったと思う。リオ五輪までは言われるがままだったけど、愛さんが戻ってきたときは自分から意見できるようになった」

その変化を一番実感したのはもちろん、吉田である。「私も驚くくらい、がむしゃらについてきてくれた。私も言う以上はやらなきゃいけないから、共に成長できる。本当に理想のパートナー」。昨年の世界選手権でついに優勝し、2人の絆はさらに強くなった。

「東京だから現役を続けることにした」と吉田が語るように、おそらくペアを組むのは来年夏まで。残された1年、力を合わせて最高の走りを追求する。

(山口大介)

セーリング470級 全長470センチの2人乗り小型ヨットを操り、通称「ヨンナナマル」と呼ばれる。適正体重が2人合わせて130キロ前後とされ、欧米人に比べて小柄な日本人にも適していることから国内で最も普及している。1976年モントリオールから五輪種目となり、日本は96年アトランタで女子の重由美子、木下アリーシア組が銀メダル、2004年アテネで男子の関一人、轟賢二郎組が銅メダルを獲得している。次回24年パリ大会から男女混合種目として実施される。
代表選考、男子は大混戦
 東京五輪で開催国の日本は全10目に1艇ずつ出場できる。日本セーリング連盟は選考基準を設けており、470級は3大会を選考会に指定。4月に最初の大会が終わり、残るのは4日からの世界選手権と27日~9月1日に行われるワールドカップ(W杯)だ。
 世界選手権で表彰台に上がったうえで日本勢最上位になれば、その時点で代表に決まる。持ち越された場合は、W杯を含めた3大会の得点で決まる。女子は吉田、吉岡組が有力だが、男子は大混戦。昨年の世界選手権2位の磯崎哲也、高柳彬組(ともにエス・ピー・ネットワーク)は獲得点数で現在4位にいる。

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