2019年9月16日(月)

虐待の安否確認1.2万件守れず 児相「48時間ルール」

2019/8/1 13:02
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厚生労働省は1日、児童虐待を疑う通告から48時間以内に児童相談所などが子どもの安否を確認するルールが守られていない事例が、2018年7月~19年6月に1万1984件あったと明らかにした。同期間の通告全体の7.8%に当たる。

うち415件については子どもに傷やあざがあったり、親が子どもとの面会を拒んだりするなど緊急性の高いケースで、最終的に立ち入り調査や子どもの一時保護などの措置が取られた。

「48時間ルール」は18年3月に東京都目黒区で5歳女児が死亡した事件を受け、政府が18年7月に決定。しかし19年6月に札幌市で2歳女児が衰弱死した事件でもルールが守られていないことが判明し、厚労省が実態調査に乗り出した。

一方、18年度に全国の児相が対応した虐待件数(速報値)は前年度比19.5%増の15万9850件と28年連続で過去最多を更新した。警察などからの通告が半数を占めており、厚労省は「虐待事件への認知度が高まり、市民からの110番が増えているとみられる」と説明している。

虐待の内容別では、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」などの心理的虐待が8万8389件(55.3%)で最多だった。身体的虐待が4万256件(25.2%)、育児放棄(ネグレクト)が2万9474件(18.4%)、性的虐待が1731件(1.1%)。心理的虐待は前年度から1万6192件、身体的虐待は7033件増えた。

女児が衰弱死した事件で現場のマンション前に献花をする人(6月、札幌市)

女児が衰弱死した事件で現場のマンション前に献花をする人(6月、札幌市)

政令市や中核市を含む都道府県別の件数では、大阪の2万694件が最も多く、神奈川1万7272件、東京1万6967件が続いた。最も少なかったのは鳥取の80件。全ての都道府県で増加し、増加率は沖縄(1.59倍)や山形(1.52倍)などが高かった。

児童虐待の対応件数は通告が義務化された00年度以降に目立って増加しており、この18年間で件数は9倍になっている。これに対し、児相で対応する児童福祉司は18年度で3426人と、00年度の2.6倍にとどまっている。

厚労省の担当者は「虐待の通告件数の増加に対応できるだけ、児童福祉司を確保できていない。48時間ルールを守るのは現状では難しいケースもある」と分析。児童福祉司の確保には限界もあるため「親への育児指導を外部委託するなど、業務の効率化も進めていく」としている。

厚労省は17年度の虐待による死亡事例の検証結果も公表した。無理心中を除いた死者は52人と前年度より3人増えた。0歳児が28人と最も多く、望まない妊娠だったケースが16人だった。

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