ビンラディン容疑者の息子、死亡か アルカイダ指導者
米報道

【ニューヨーク=西邨紘子】2011年に米軍に殺害された国際テロ組織アルカイダの指導者、故ウサマ・ビンラディン容疑者の息子が死亡したもようだ。米NBCが7月31日、米政府関係者の話として伝えた。具体的な日時や場所、米軍の関与の有無など、死亡をめぐる経緯は明らかになっていない。
息子のハムザ・ビンラディン容疑者はアルカイダのメンバー。年齢は30歳前後とされる。16年に米国への報復を呼びかけるメッセージを発表し、組織の指導者の一人として影響力を強めていたとされる。「聖戦(ジハード)の皇太子」との異名もある。
米政府は17年、ハムザ容疑者を「国際テロリスト」に指定した。今年2月には同容疑者の情報提供に最高100万ドル(約1億1000万円)の懸賞金を出すと発表し、警戒を強めていた。
トランプ大統領はホワイトハウスでハムザ容疑者について質問されると「それについてはコメントしたくない」と述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、ハムザ容疑者が死亡したのは、17年1月のトランプ政権発足からの2年間の間で、今年2月よりも前だったという。同紙はハムザ容疑者の死亡について「脅威が取り除かれたというよりは、米政府にとって象徴的な勝利だ」と分析した。
ハムザ容疑者の所在は長らく不明とされていた。父親の故ウサマ・ビンラディン容疑者と一時、パキスタンに潜伏していたとの情報もある。英紙ガーディアンは18年、親族の話として、ハムザ容疑者が01年の米同時テロ実行犯、故モハメド・アッタ容疑者の娘と結婚したと伝えた。
ウサマ・ビンラディン容疑者は01年9月の米同時テロを首謀した。11年5月にパキスタンの潜伏先で、米軍特殊部隊による襲撃作戦で殺害された。