ミャンマー、外資保険6社に合弁認可 5社が日系

アジアBiz
2019/7/31 23:23
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【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー政府は31日、外資の保険会社6社に地元保険会社との合弁会社の設立を承認した。6社には東京海上ホールディングスや日本生命保険など日系の生損保5社が含まれる。早ければ10月にも新体制での営業が認可される見通し。保険がほとんど浸透していないミャンマー市場を巡り、日本勢を中心に競争が激しくなりそうだ。

ミャンマーの保険市場拡大には、消費者の理解を深める取り組みが欠かせない(6月、ヤンゴン)

損害保険では東京海上、SOMPOホールディングス、三井住友海上火災保険の3社、生命保険では日本生命、太陽生命保険、タイのタイライフの3社が合弁会社設立の承認を得た。タイライフには明治安田生命が15%出資している。

関係者によると、損保3社は地元保険会社が発行する新株を引き受け、10~15%の持ち分を取得する。段階的に政府の定める外資出資比率の上限である35%にまで拡大する方針だ。一方、日系生保2社は最初から35%の株式を取得する。投資額はそれぞれ20億~30億円とみられる。合弁会社はそれぞれ外資側の社名を盛り込んだ新社名に変更する。

ミャンマー政府は1月、外資保険会社の参入を容認する手続きを始めた。4月に第一生命保険や英プルーデンシャルなど5社に対し、全額出資会社の設立を認める仮認可を出した。今回認められた6社と合わせると、ミャンマーの保険市場に計11社が参入することになる。

2018年度のミャンマーの保険市場は1億6600万ドル(約180億円)。国内総生産(GDP)に占める比率は約0.2%と、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国で最低水準にとどまる。ミャンマーは人口が多く、保険の浸透に伴って高い成長が期待されている。

損保では、銀行融資と絡んだ法人向けの事業保険や個人向けの自動車保険への関心が高い。このため銀行との提携がカギを握る。生保では貯蓄型の養老保険が売りやすいとみられ、各社は顧客と接する販売代理店や営業スタッフの囲い込みを急いでいる。

ミャンマーの地場の保険会社は12社ある。現在は、政府が認定した同一の保険商品しか販売できない。政府は外資参入を機に保険商品の自由化を進める方針で、今後は保障内容や保険料の競争も活発化する。

ミャンマー最大手銀行カンボーザ銀行の系列で、三井住友海上と合弁会社を設立する予定のIKBZ保険は、同国の保険市場が10年後に4兆チャット(約2900億円)に拡大すると予想する。

同社が4~5月に消費者1千人に聞いた調査では「保険の仕組みを知っている」という回答者は17%にとどまった一方、保険の説明を受けると6割が「購入に関心がある」と答えた。消費者向けの保険商品では、保険の役割をいかに伝えるかが課題となる。

合弁による保険参入を巡っては、ミャンマー政府が4月に関心表明を募った時点では生損保9社が意向表明書を提出していたが、このうち生保1社、損保2社は合弁相手との交渉が折り合わず、参入にこぎ着けることができなかった。

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