渡辺えり、人類愛描く上田岳弘作品を舞台化

文化往来
2019/8/6 6:00
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劇作家・演出家で女優の渡辺えりが主宰する劇団「オフィス3○○(さんじゅうまる)」で新作「私の恋人」を上演する。芥川賞作家である上田岳弘の同名小説が原作。「大きなテーマは人類愛。平和への希望を感じさせるラストにしたい」と渡辺は語る。

「上田作品を読んでいるとどんどん発想が膨らむ」と語る渡辺えり

「上田作品を読んでいるとどんどん発想が膨らむ」と語る渡辺えり

30代の男性が旧石器時代のクロマニヨン人、第2次世界大戦中のユダヤ人を経て、現代の東京に住む日本人へと転生を繰り返しながら、理想の恋人を追い求める。争いを繰り返す歴史の中で最初の2人は理想の人に出会えぬまま死んでいくが、現代の主人公はついに恋人を見つける。

2015年に三島由紀夫賞を受賞した同作を読んだとき、渡辺は自身が22年前に手がけた舞台「ガーデン」と共通する部分が多いと感じたという。その後、上田が再演の「ガーデン」を見て渡辺に感想を伝えたことから交流が始まり意気投合。昨年、渡辺は上田の「塔と重力」を「肉の海」と題して舞台化して好評を得た。

「好きな文学作品から社会への問題意識、物語の構成の仕方まで似ていて、作品を読んでいるとどんどん発想が膨らむ。脚本を書くのがとても楽しくて、また書きたくなった。上田さんが『全部書き換えてもかまわない』と言ってくれたので、今回も原作のエキスをとって8割は創作した」(渡辺)

歌や踊りをちりばめた音楽劇で、30人の登場人物を渡辺と小日向文世、のんの3人だけで演じ分ける。小日向について「芝居に嘘がない」、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で共演し今回が舞台初出演となるのんについては「男でも女でもない、何色にもなれるところがいい」と魅力を語る。

上演は8月28日~9月8日、東京・本多劇場。

(佐々木宇蘭)

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