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蹴らずに完勝 日本ラグビー、幅の広がり示す

ラグビーW杯
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2019/8/1 5:30
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自国開催のワールドカップ(W杯)への、一里塚になり得る試合だった。ラグビー日本代表は今年初の公式戦でフィジーに快勝。9月の本番に向け、チームの「幅」の広がりを感じさせる試合となった。

7月27日のリポビタンDチャレンジカップ・パシフィック・ネーションズ日本ラウンドの初戦。フィジーに34-21で勝った試合を見て、少しキツネにつままれたような感覚になった。戦前の選手、コーチの言葉とは、かなり異なる試合だったからだ。

前日、リーチ・マイケル主将は話していた。「ゲームプランはアンストラクチャーをつくること」。アンストラクチャーとは、キックの後などで両軍の陣形が乱れている状態を指す。素直に受け取れば、積極的に蹴ると考えられた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)も同様の方向を示唆していた。

つないで前進、ボール保持率は70%

ところが、前半の日本のキックは僅かに5回。逆に、パスを主体にボールをつないで攻めた。そして、この戦略がうまくはまった。

ボールを獲得すると、蹴らずにパスでつないで前進。敵陣での反則やミスを誘発し、その地点からのセットプレーからトライにつなげるという流れができていた。ジョセフHCも「前半のボール支配率が70%もあったことがとても良かった」と、球を保持し続けたことを勝因に挙げる。

前半で挙げた4トライも全て、ラインアウトとスクラムを起点にしている。つまり、アンストラクチャーとは逆の、「ストラクチャー」と呼ばれる互いの陣形が整った状態からのものだった。

後半、スクラムを組む日本のFW陣。安定したセットプレーは勝因の一つだった

後半、スクラムを組む日本のFW陣。安定したセットプレーは勝因の一つだった

この戦略が機能した要因はいくつもある。まずは安定したセットプレー。ラインアウトは後方のバックスに投げるロングスローなどの工夫が奏功。失敗は1度だけだった。

スクラムは主審の判定にも苦しんで前半に2度の反則をとられたが、後半は立て直した。組む前の両軍の距離を広げる新ルールが実施されて、日本にとっては初戦だったが、ほぼ互角に組めたところは自信になろう。

セットプレーでボールを確保した後のプレーにも、チームが春から磨いてきた要素が詰まっていた。パスの技術にFWの運動量、密集戦で相手を排除する速さと低さ……。攻撃を担当するトニー・ブラウンコーチは「前半はこの4年間のベストというくらいのプレーだった。ほぼ完璧にプランを遂行できた」と胸を張る。

後半は疲れもあってややミスが増えたが、試合全体をコントロールしていたのは日本。リーチ主将が「日本が一番苦手なタイプ」と話していた難敵からの、意義ある勝利となった。

もちろん課題もあった。それは奪われた3トライに凝縮されている。最初の1本は、日本のキックからのカウンターで奪われた。追走した1人目がタックルしたところまではよかったが、直後に外に回された時、防御ラインが整っていなかった。

守備担当のリーダー、プロップの稲垣啓太は「蹴った後、ブレイクダウン(密集)に入っていた選手のディフェンスの散らばりが遅い。そのスピードを上げるのが大事」。密集に入っていた選手が横に広がりながら素早く前に出て、防御ラインを整備する必要があると指摘する。

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