2019年9月23日(月)

中国、景気下支え継続 建国70年へ失速回避

米中衝突
貿易摩擦
2019/7/30 20:53
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【北京=原田逸策】中国共産党は30日、中央政治局会議を開き、2019年下半期の経済運営方針を決めた。中国経済の現状について「新たなリスクと試練に直面し、下押し圧力が増大している」としたうえで、積極的な財政政策と穏健な金融政策で景気の下支えを続ける方針を確認した。米国との貿易摩擦の長期化をにらみ、景気の失速を防ぐ姿勢を示した。

建設現場で働く作業員(中国・淮安市)=ロイター

建設現場で働く作業員(中国・淮安市)=ロイター

毎月開く政治局会議では3カ月ごとに経済の現状を点検し、マクロ経済運営を微調整する。なかでも7月の政治局会議は下半期の経済運営方針を決めるため注目される。

今回の会議は上半期の経済を「全体として安定している」と評価しつつも、下押し圧力の高まりを率直に認めた。4月の政治局会議が「幸先のよいスタートを切った」と楽観的な景気認識を示したのとは対照的だ。会議は「下半期の経済運営の意義は重大」と強調した。10月の建国70周年を控え、景気失速を許さない姿勢を鮮明にした。

それが象徴的に表れたのは「6つの安定」という表現の復活だ。貿易戦争の打撃を警戒し、昨年7月の政治局会議では「雇用、金融、貿易、外資、投資、景気見通しを安定させる」という表現が初めて登場した。4月の政治局会議では1~3月の成長率が想定以上だったため削除されたが、今回は「『6つの安定』を全面的にしっかりやる」と間接的に言及した。

米国との貿易戦争にも「経済や貿易の摩擦に有効に対処する」と言及した。昨年12月の中央経済工作会議では「穏当に対応」としており、表現が微妙に変わった。貿易戦争に「攻め」の姿勢で対応する方針を示した可能性がありそうだ。

財政政策は「力を強め、効率を高める」との基本方針を維持したうえで「減税と手数料削減を細部まで実現する」との表現を追加した。景気対策の柱である2兆元(約32兆円)規模の減税や手数料削減を着実に実行する方針を強調した。

金融政策は「引き締めと緩和を適度に保つ」「流動性は合理的で十分な水準に保つ」との表現を踏襲した。ただ、これまで言及してきた「債務削減」にはまったく言及しなかった。行きすぎた債務削減が、民間企業や中小企業の資金繰り難を招いたとの反省が背景にあるとみられる。

習近平政権は景気失速の回避へ強い姿勢を示す(北京、6月)=ロイター

習近平政権は景気失速の回避へ強い姿勢を示す(北京、6月)=ロイター

今回の会議は全体として景気下支えを継続する方針を示した一方、不動産については売買規制などを緩めない方針を強調した。「不動産は住むものであって投機の対象ではないとの方針を堅持する」との表現を引き続き盛ったほか、「不動産を短期的な景気刺激の手段としない」との表現を新たに追加した。

中国ではマクロ経済を調節する手段として、不動産を活用してきた。

景気が悪くなると住宅ローンを借りやすくしたり自宅購入に補助金を出したりして投機をあおり、景気が過熱すると不動産売買を規制した。ここに来て家計の借金は膨らみ、不動産開発会社の債務も急増して金融システムの不安要素になっている。「景気が悪くても不動産を緩めない」と宣言し、一部にくすぶる不動産の投機熱を冷ます狙いとみられる。

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