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12年越しの総合取引所構想実現 JPX、東商取買収で最終合意
清田CEO「大きな一歩」 遠い世界の背中

2019/7/30 23:00
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日本取引所グループ(JPX)と東京商品取引所は30日、JPXが東商取株を総額約55億円で買収することで最終合意した。証券と商品を一体で取り扱う「総合取引所」構想が最初に打ち出されてから12年。世界の取引所と競い合う素地がようやく整うが、彼我の開きは大きい。買収の相乗効果を早急に出さなければ、世界での存在感低下に歯止めはかからない。

記者会見する日本取引所グループの清田CEO(30日、東証)

「総合取引所の実現に向け、大きく一歩を踏み出した」。30日、JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は総合取引所の発足についてこう強調した。JPXは東商取に対して1株487円でTOB(株式公開買い付け)を実施、10月にも子会社化する。20年7月に金や農産物を東商取から傘下の大阪取引所に移管し、正式に総合取引所を発足させる。

ここまでの道は平たんではなかった。JPXと東商取は3月末に統合で基本合意した。6月末にTOB開始を予定していたものの、東商取株のTOB価格を決める算定基準で折り合えず、一度は延期した。JPXは直近の業績を勘案し、3月末時点の純資産額(約48億円)を下回る価格を提示したが、東商取は将来上場する電力先物の収益性を織り込み、純資産を大きく上回る金額を主張。両社の価格には実に2倍以上もの開きがあった。

隔たりの大きさに一時は「10月子会社化の延期説」が浮上。財務アドバイザー(FA)を含む関係者が危機感を強めるなか、「これ以上の延期は統合案そのものにも影響が出かねない」(交渉関係者)との思いが両社の距離を徐々に近づけた。最終的に純資産に一定の相乗効果の上乗せを加えた折衷案に落ち着いた。

総合取引所は2007年に政府が構想を最初に打ち出してから12年もの月日が流れた。幾度となく機運は盛り上がったが、省庁や規制の壁に阻まれ前に進まなかった。この間、海外の主な取引所はデリバティブを中心に取引を増やし、JPXはライバルとの距離を引き離された。

証券と商品先物を一体で扱う総合取引所は世界では当たり前の存在だ。米国先物取引業協会(FIA)によると、最大手のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のデリバティブの取引高はJPXの約15倍。企業としての時価総額だけで見ても、CMEは約8兆円でJPX(約9000億円)と大きく差がある。

海外では新たな収益源を模索する動きも活発だ。ロンドン証券取引所グループは金融データのリフィニティブ・ホールディングスと約3兆円の買収交渉をしている。米ナスダックも昨年12月にデータ企業を買収した。デリバティブの業界団体であるFIAジャパンの茂木八洲男会長は「欧米の証券取引ビジネスは成熟した市場」と指摘する。

東商取は赤字が続いており、単純な買収では業績面での寄与度はマイナスだ。清田CEOは「シナジーを生み出せなければ統合の意味がない」と話す。総合取引所はようやくスタート地点にたどりついた。投資家にとって使い勝手のいい取引インフラの整備、魅力ある商品開発など相乗効果を早急に出さねば、世界の背中はさらに遠のく。(須賀恭平、南畑竜太)

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