2019年9月21日(土)

女性就業3000万人突破、M字カーブは解消 男性との待遇差課題

2019/7/30 20:00
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女性の就業者数が初めて3000万人を突破した。女性が出産や育児で仕事を辞め、30代を中心に就業率が下がる「M字カーブ」が解消してきたことが主因だ。ただ、非正規で働く女性が多く「雇用の調整弁」という側面は残る。男女の不合理な待遇差の解消が課題になっている。

女性の労働力率を年齢階級別にグラフにすると30代がへこみ「M」になる。子育て期にいったん離職し、子育てが一段落した40代で働き始めるためだ。欧州の主要国ではこうした傾向がみられず、30代女性の労働力率が80%前後でグラフにすると台形に近い。M字カーブはこれまで日本で女性の労働参加が進んでいない象徴とされてきた。

総務省が30日発表した2019年6月の労働力調査では、35~39歳女性の労働力率は76.7%となり、過去最高に近い水準だ。1999年は30~34歳の労働力率が56.7%、35~39歳は61.5%だった。どちらも今より10ポイント以上も低い。現状は30代の労働力率が大きく上昇し、欧州のような台形に近づいている。

男女合わせた就業者は6747万人となり、前年同月比で60万人も増えた。増加分の9割近くが女性。人口減少が進むなかで女性の労働参加は安定した経済成長に欠かせないが、課題は残る。

その1つは非正規が多いことだ。女性の雇用者のうちパートら非正規労働者が55%を占め、男性の2倍以上になる。都内の金融機関で非正規として働く30代の女性は「30歳半ばで子どもがいると、正社員として雇う会社は少ない」とこぼす。

厚生労働省が30日発表した6月の有効求人倍率は1.61倍となり、なお高い水準にある。正社員の有効求人は1.15倍と目安の1倍を上回るが、企業はいったん採用すると解雇しにくい正社員よりも、雇用期間を限定できる非正規で募集する傾向が根強い。企業はパートらの募集時に、未経験者や週1回の勤務でも受け入れ始めている。

正社員でも課題はある。能力のある女性が活躍できる機会をいかに増やしていくか。労働政策研究・研修機構によると、日本の女性管理職比率は16年時点で12.9%。米国の43.8%、フランスの32.9%に遠く及ばない。東京商工リサーチの調査(18年)では、上場企業3490社のうち女性役員がいない企業は60%を超えている。

女性が働きやすいように仕事と家庭を両立できる環境をつくり、性別や働き方にかかわらず能力や成果を適切に評価することが課題になる。さらに付加価値の高い仕事にシフトし、主要7カ国で長く最下位の労働生産性を高めていくことが息の長い経済成長に必要不可欠な条件といえる。

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