ZOZO、2年ぶり最終増益 4~6月 出店数復調

衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの業績が回復している。30日発表した2019年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比28%増の53億円だった。同期間の最終増益は2年ぶり。出店数が再び増加に転じ、サイトの商品取扱高が伸びた。独自の採寸スーツの配布などプライベートブランド(PB)に関わる費用の減少も寄与した。

売上高は6%増の281億円だった。販売促進策の効果もあり、衣料品の販売が伸びた。ゾゾタウンの商品取扱高は13%増えた。営業利益は33%増の77億円だった。柳沢孝旨・最高財務責任者(CFO)は同日に開いた決算説明会で「計画に対して順調に推移している」と話した。
ゾゾタウンの6月末時点の出店数は1297店と3月末時点(1245店)に比べて増加した。右肩上がりで伸び続けた後、3月末時点では3カ月前比で減少に転じたが、ひとまず持ち直したようだ。
出店数減に歯止めがかかったのは、5月末に有料会員向け割引サービスを終了した効果のようだ。昨年12月の同サービスの導入後、オンワードホールディングスやミキハウスなどが「ブランド価値が毀損する」と判断してゾゾダウンから相次いで撤退した経緯がある。宝飾品大手のヨンドシーホールディングスとアパレル大手のTSIホールディングスは6月にゾゾタウンへの出品を再開している。
ZOZOが衣料品のサイズを増やす際の商品開発で協力するといった方針を示し、出店企業への支援を強めているのも出店を後押ししたとみられる。小売業に詳しいフロンティア・マネジメントの山手剛人氏は「成長の後退観測もあっただけに、出店が早期にプラスに転じたことは評価できる」と指摘する。
20年3月期通期の業績予想は据え置いた。連結売上高は15%増の1360億円の見通し。純利益は41%増の225億円と初の減益だった前期から一転して最高益を見込む。6月にはスマートフォンを使って足型の3D計測ができるサービス「ZOZOMAT(ゾゾマット)」の予約を開始。新サービスの導入で成長拡大を図る考えだ。
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