東京モーターショー、「オープン化」に活路
パナソニックなど初参加

2019/7/30 11:00
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日本自動車工業会(東京・港、自工会)は30日、10月24日~11月4日に開催する東京モーターショーの概要を発表した。テーマは「オープンフューチャー」で、パナソニックNTTが初めて参加する。海外自動車大手の出展中止や入場者数の減少が続くなか、異業種を巻き込み新たなモビリティー(移動手段)の姿を示し、存在感の低下に歯止めをかける考えだ。

「オープンフューチャー」をテーマに他業種と連携した展示や、一部無料エリアも設ける

今年は世界7カ国から186の企業や団体が参加する。前回2017年の153より増えるものの、独アウディや独フォルクスワーゲン(VW)などは今回、出展しない。海外自動車メーカーの参加は独メルセデス・ベンツ、仏ルノーなど数ブランドにとどまる。

アウディジャパンのフィリップ・ノアック社長は「顧客への最も良いアプローチを検討した結果、参加しないことを決めた」と話す。自社イベントやSNS(交流サイト)活用のほうが、費用対効果が大きいと判断したもようだ。海外勢からは「世界の様々なモーターショーのなかで東京のポジションは低い」との指摘もあったという。

東京モーターショーの入場者数は1991年の約200万人をピークに減少傾向が続く。前回17年は約77万人だった。

てこ入れに向け、自工会は「開かれたモーターショー」をアピールする。NTTなど自工会会員以外も含め、今回は43の企業や団体が初めて参加する。経団連などが母体の「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」や経済産業省との共催とし、業界の枠を超え展示内容を充実する。

他業種と連携し、観光やスポーツ、移動などで4~5年先の生活を体感できるスペースを設ける。自工会のモーターショー特別委員会委員長で、トヨタ自動車国内販売事業本部の長田准副本部長は「業界全体でモビリティーという社会に変革していくなか、様々な方と手を携えやっていく。ショーも変わっていきたい」と強調する。

会場も前回より広げ、若者向けの商業施設が多い東京・お台場の全域で展開する。2つに分かれるエリアの間を全長1.5キロメートルの通路でつなぎ、1人乗りモビリティーなどの試乗も可能にする。高校生以下は入場無料とするほか、チケットなしで展示を見られるエリアも設け、新たな層の取り込みも狙う。

モータショーの退潮は東京に限った話ではない。19年1月、米デトロイトで開いた北米国際自動車ショーでは独BMWや独ダイムラーなどが出展を中止した。トヨタも今秋開かれる世界最大級のドイツ・フランクフルトモーターショーへの参加を見送る。「新しい車両モデルやコンセプトを出すというスタイルは先進国を中心に陰りが出ている」(長田氏)という。

1つの業種に縛られない見本市も増えている。米家電見本市「CES」は自動車やIT(情報技術)などに積極的に出展を呼びかけて活力を維持している。国内最大のIT見本市「CEATEC(シーテック)」では長年、中核を占めてきたパナソニックやシャープが今年10月の開催では展示の縮小を検討している一方で、ANAホールディングスなど異業種に参加が広がる。

自動車は日本がまだ競争力を維持している分野だ。それでも若者のクルマ離れが進み、自動車だけでは消費者の関心を集めにくくなっている。「CASE」(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる次世代技術や、移動サービス「MaaS」の台頭などで業界全体が変革を求められている。(岡田江美)

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