トランプ氏「小幅の利下げでは不十分」 FRBに要求
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は29日、ツイッターに「小幅の利下げでは不十分だ」と投稿し、米連邦準備理事会(FRB)に大幅な金融緩和を要求した。FRBは30日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げに踏み切るとみられている。大統領選の再選をめざすトランプ氏は、米経済を下支えするため利下げ幅にまで介入した形だ。
トランプ氏は「FRBの利上げが早すぎて大きすぎた。量的引き締めももう一つの大きな過ちだ」と指摘し、2018年までパウエル議長らが進めてきた利上げ路線を改めて批判した。また利上げによって「潜在的に失われた富は大きい」とも不満を表した。
利下げを要求する要因として「米国とのゲームのやり方を知っている国々と我々は競争している」とし、欧州連合(EU)や中国を対抗相手として挙げた。EUや中国も景気下支えのため金融緩和の姿勢を強める中、米国も対抗して緩和競争を促した格好だ。
金融先物市場では年内に現状より0.5%以上低い政策金利を見込む確率が9割に達している。FRBが今回0.25%利下げしても、トランプ氏による中央銀行の独立性を無視した口先介入は続く公算が大きい。