2019年9月16日(月)

シリア空爆巡り強まる対ロ批判、女児ら犠牲で
ロシア国防省は「偽情報」と反論

2019/7/29 21:42
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【モスクワ=小川知世】内戦が続くシリアでのロシア軍による空爆を巡って、市民が犠牲になったとして国際社会の非難が強まっている。SNS(交流サイト)では、空爆で倒壊した建物の下敷きになった5歳の女児が生後7カ月の妹の服をつかんで助けようとする写真が拡散。女児はその後、死亡が伝えられ、痛ましい状況に衝撃が広がった。ロシアは29日、「民間人を空爆したとの情報はフェイク(偽情報)だ」と発表するなど火消しに追われた。

シリア北西部イドリブ県で空爆された建物のがれきから犠牲者を捜索する市民組織、シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ、25日)=ホワイトヘルメッツ提供・AP

シリア反体制派の最後の拠点の同国北西部イドリブ県ではアサド政権と、その後ろ盾のロシア軍が攻撃を激しくしている。シリア人権監視団(英国)は22日、ロシア軍によるイドリブ県への空爆で、少なくとも67人が死亡したと発表した。米国務省は「民間のインフラを狙った攻撃で、国際法違反だ」と攻撃停止を求める声明を出した。

ロシアは29日、国防省の高官が記者会見を開き、シリアでの活動を説明した。イドリブ県で国際テロ組織アルカイダ系の過激派が活発化しているとし、空爆により過激派の基地や武器保管庫の破壊に取り組んでいると主張した。攻撃を正当化する狙いとみられる。

同高官は、ロシア軍の空爆で多くの市民が犠牲になったとの報道は反体制派に近い組織などが流した虚偽の情報だと否定した。

イドリブ県では難民流入を懸念する隣国トルコが総攻撃に反対し、2018年9月にロシアから非武装地帯(DMZ)設置で合意を取り付けた。ただ条件だった過激派の排除が進まず、政権側が4月末から空爆を激化した。国連によると、市民350人以上が死亡した。DMZ設置の合意は事実上、破綻している。

ロシアとトルコ、イランは8月1~2日にカザフスタンで政府高官によるシリアの和平協議を開く。ロシアが空爆を正当化するなか、情勢の安定に向けた実質的な議論が進むかは不透明だ。

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