小澤征爾の理念を継承 F・ルイージが松本でタクト

文化往来
2019/8/2 6:00
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イタリア・ジェノバ出身の指揮者ファビオ・ルイージは、米メトロポリタン歌劇場首席指揮者など世界の主要オーケストラや歌劇場のポストを歴任し、高く評価される巨匠の一人だ。日本との関わりは深く、小澤征爾が恩師の斎藤秀雄の功績をたたえて立ち上げた長野県松本市の音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル、OMF)」にたびたび参加しており、今夏も5回目の出演を果たす。小澤以外の指揮者としては最多の出演回数となる。ルイージは「小澤さんは特別な指揮者。彼の音楽祭に関われることが光栄」と語る。

スコアを徹底的に研究して、各オーケストラの長所を見極め、魅力を存分に引き出すファビオ・ルイージ

スコアを徹底的に研究して、各オーケストラの長所を見極め、魅力を存分に引き出すファビオ・ルイージ

ルイージは緻密で精巧な音楽づくりが持ち味だ。スコアを徹底的に研究したうえで、各オーケストラの長所を見極め、その魅力を存分に引き出す。3月に開かれた自身が首席指揮者を務めるデンマーク国立交響楽団との日本公演では、チャイコフスキー「交響曲第5番」など完成度の高い演奏を披露した。

OMFでは小澤を慕い世界の精鋭奏者が集まる「サイトウ・キネン・オーケストラ」を指揮する。同楽団との相性は抜群で、これまでもマーラーの交響曲など名演を残してきた。「この楽団は小澤さんの子供。楽しそうに音楽を奏でる。指揮者として君臨するのではなく、小澤さんのように楽団と協働するよう心がけている」

8月23日、マーラーの交響曲第1番「巨人」などをキッセイ文化ホール(松本市)で披露する予定。同20、22、24日にはチャイコフスキーの名作オペラ「エフゲニー・オネーギン」をまつもと市民芸術館(同)で指揮する。今年は小澤が体調面を考慮し、音楽祭での指揮を取りやめただけに、理念の継承者としてのルイージに期待が集まる。

(岩崎貴行)

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