米国務長官、結束維持へアジア歴訪
深まる日韓対立、3カ国外相会談の公算も

2019/7/28 19:47
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【ワシントン=永沢毅】ポンペオ米国務長官は30日からタイ、オーストラリア、南太平洋にあるミクロネシアの3カ国を歴訪する。日本と韓国で深まる対立をとらえて米国の影響力低下を狙う中国やロシアが挑発行為を強めるなか、アジア各国との結束維持をめざす。

米国はインド太平洋地域での中国、ロシアの動きに神経を尖らせる(写真はポンペオ国務長官、ロイター)

最初の訪問地バンコクでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)などのASEAN関連会合に出席する。中国が軍事拠点化を進める南シナ海や北朝鮮の核問題が主なテーマだが、日本の輸出規制を巡る日韓対立の深まりに米国がどう対応するかも焦点となる。

ARFには河野太郎外相、康京和(カン・ギョンファ)韓国外相も出席する。「日韓の緊張を懸念しており、生産的で双方の利益になる方法によって両国が対応するための方策を探っている」。国務省高官は26日、バンコクでの日米韓外相会談の実現に期待を示した。

23日には中国とロシアが島根県の竹島(韓国名・独島)周辺の上空に軍用機を送り、領空侵犯する事態が発生した。日米韓の情報共有に支障がないかを試すとともに、日韓対立をあおる狙いが透ける。25日には北朝鮮も短距離弾道ミサイル2発を日本海へ発射した。

同高官は3カ国会談について「詳細にはまだ言及できない。とても忙しい訪問だ」とも述べ、実現するか明言を避けた。見送りならば、中ロや北朝鮮に誤ったメッセージを送る恐れもある。

日米韓外相は17年のフィリピンでのARFに合わせて会談。18年のシンガポールでは開かなかったが、その前に2カ月連続で会っていた。

ポンペオ氏は4日から訪れるシドニーでは、就任したばかりのエスパー国防長官とともに米豪の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に臨む。その後のミクロネシアは現職の国務長官としては初の訪問となり、マーシャル諸島、パラオを含めた3カ国の首脳と会談する予定だ。

米国はこれらの3カ国と経済支援の代わりに防衛義務を果たす自由連合協定を結んでおり、島しょ国の中でも緊密な関係にある。14カ国ある南太平洋の島しょ国では伝統的に米豪の影響力が強かった。今や中国の存在感が増す一方だ。

このうちマーシャルとパラオを含む6カ国は台湾と国交関係を持つが、中国が経済力をテコに断交を迫り、切り崩しを図っている。台湾と国交のあるソロモン諸島が中台との外交関係の見直しを巡る議論を始めたのがその証左だ。

「自由で開かれたインド太平洋構想の実現に彼らの存在が不可欠だ」。国務省高官はこう危機感を募らせる。今回の訪問が、どこまで島しょ国のつなぎ留めに結びつくかは見通せない。

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