激しく競る騎馬武者に喝采 福島・相馬野馬追が最高潮

福島県で千年の歴史を誇り、戦国時代さながらに騎馬武者たちが激しく競い合う伝統行事「相馬野馬追」で、最大の見せ場となる甲冑(かっちゅう)競馬と神旗争奪戦が28日、同県南相馬市の雲雀ケ原祭場地で繰り広げられた。約3万3千人が詰め掛けた会場は喝采と熱気に包まれ、祭りは最高潮を迎えた。
甲冑競馬では、1回につき騎馬武者7、8人が、先祖伝来の旗を背中になびかせながら疾走し、ぬかるみの泥を高くはね上げた。1位となった武者は、コースを再度回りながら友人とハイタッチしたり、ガッツポーズをつくったりした。
神旗争奪戦には約250騎が参加。花火で上空に高く打ち上げられ、落下してくる旗を武者たちが馬を走らせて奪い合った。落馬する人も出た。
今年から県内で勤務する鹿児島県出身の谷口翼さん(25)は会社の同僚らと初めて観覧。「すごい迫力だった。命を懸けてやっていると思った祭りは初めてだ」と驚いた様子で話した。
29日には、素手で馬を捕らえる神事「野馬懸」が行われ、3日間の行事が閉幕する。〔共同〕