2019年9月17日(火)

迎撃困難、ロシア製模倣か 北朝鮮の新型ミサイル
在日米軍も射程に、韓国軍が分析

北朝鮮
2019/7/26 17:30
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【ソウル=恩地洋介】韓国軍当局者は26日、北朝鮮が25日に発射した2発の短距離弾道ミサイルを巡り、ロシア製の「イスカンデル」に酷似しているとの見方を明らかにした。通常の弾道弾とは異なる軌道で飛行するため、捕捉や迎撃が難しい。韓国軍は2発のミサイルの飛距離を「600キロ程度」に修正した。日本を射程に収める能力を有している可能性があり、新たな脅威となる。

25日、新型ミサイルの発射を視察した北朝鮮の金正恩委員長(コリアメディア提供・共同)

イスカンデルはロシア軍が開発し実戦配備しているミサイル。固体燃料を使い移動式発射台から発射するため、事前の捕捉が難しい。韓国軍によれば今回のミサイルの高度は50キロと低く、下降時は水平飛行に移行する特性を見せた。5月に発射したミサイル「KN23」も類似の特徴があるという。

25日には1発目の飛距離を430キロ、2発目を690キロと公表したが、軍当局者は「韓米軍当局が精密評価した結果、2発とも約600キロだった」(軍関係者)と説明した。26日の朝鮮中央通信によると、発射を視察した金正恩(キム・ジョンウン)委員長はミサイルを「防御が容易でない戦術誘導弾の低高度飛行軌道の特性と、戦闘的威力を確信できるようになった」と評価した。

新型ミサイルの脅威について、韓国国防省出身の金東葉慶南大教授は「核弾頭を搭載し、ミサイル防衛網を突破できる」指摘する。最大射程については「中朝境界から発射して韓国・釜山に届く700キロで設計された可能性が高い」と分析した。

700キロなら、南北境界近くから発射した場合、長崎県佐世保などの在日米軍基地も射程に入る。脅威の度合いは高まったが、日米韓が一致して北朝鮮に厳しい姿勢を取れるかは微妙だ。今のところ国連安全保障理事会の制裁決議違反を問う声は上がっていない。

トランプ米大統領は25日のFOXニュースで「彼らは核実験はしていないし、小さいミサイルしか発射していない」と述べ、問題視しない立場を示した。ポンペオ米国務長官も25日、FOXニュースで、金正恩委員長が6月に板門店でトランプ氏と会談した際、「中距離や長距離の弾道ミサイル発射は避ける」と約束したと主張した。

韓国政府は「朝鮮半島の軍事的緊張緩和に向けた努力の助けにならない」と憂慮を示すにとどまっている。

米朝の実務者による非核化交渉は早くても8月下旬以降にずれ込む見通しだ。金正恩氏が中止を求めた米韓軍事演習は8月5日ごろ始まり、最大3週間程度続くとみられている。ポンペオ氏は米ブルームバーグのインタビューで交渉を「数週間内には開催するだろう」と述べた。

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