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開門巡る「ねじれ」解けるか 諫早干拓で最高裁弁論

国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡る訴訟の上告審で、潮受け堤防排水門の開門に応じない国と、開門を求める漁業者側の意見を聴く弁論が26日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれた。国と漁業者側は弁論で、開門を命じた確定判決に従わない国への制裁金の是非について双方の主張を展開した。最高裁の判決期日は近く指定される見通し。

排水門を巡っては、開門を命じる2010年の福岡高裁判決が確定した。一方、長崎地裁が13年の仮処分決定や17年の判決で開門の差し止めを命じ、司法判断の「ねじれ」が生じている。相反する2つの司法判断が併存する状況と、長年にわたる法廷闘争の収束につながる道筋が示されるのか、最高裁の判断に注目が集まる。

確定した福岡高裁判決に基づき、開門に応じない国には制裁金(1日につき90万円)が命じられた。今回の訴訟は、司法判断のねじれを解消しようと、国がいったん確定した判決を「事情が変わった」などとして事実上、無効にするよう求めたものだ。

一審判決は請求を退けたが、二審・福岡高裁は制裁金を支払わせる強制執行は許されないとして、確定判決の効力を事実上無効にする判決を言い渡し、漁業者側が上告した。

この日の弁論で、漁業者側弁護団は「国が確定判決を守らないことを裁判所が認めるなら、誰も裁判所を信用しなくなる」と主張。「漁業者と(開門に反対する)農業者との間に複雑に絡み合った利害関係を粘り強く整理することが求められている。最高裁が話し合いによる解決に向けた適切な判断をすることを期待している」とした。

漁業者の平方宣清さんは意見陳述で「有明海を再生するには開門しかない。きちんと対策をとって開門し、農業と漁業が両立する環境を取り戻すことを望んでいる」と述べた。

これに対し国側は、開門請求の前提となる漁業権はすでに消滅し、漁業者の請求権は失われていると主張。漁業者側が多額の制裁金を受け取っていることなどを考慮すれば、確定判決に基づく強制執行は許されないと訴えた。

第2小法廷は6月、漁業者らが開門を求めるなどした別の2件の訴訟で漁業者側の上告を棄却し、「開門しない」方向の司法判断が確定した。残っていた今回の訴訟の結果次第では、開門を巡る長年の法廷闘争に決着がつく可能性がある。

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