対中追加関税、米消費者の負担大きく 内閣府報告書

2019/7/26 16:00
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対中追加関税の第4弾の実施は保留しているが…

対中追加関税の第4弾の実施は保留しているが…

内閣府は26日公表した報告書「世界経済の潮流」で、米中貿易摩擦の影響を検証した。米国による追加関税品目のうち、中国からの輸入製品が占める割合(対中依存度)は発動済みの第3弾で2割、検討中の第4弾で4割に達する。中国以外からの輸入で代替するのが難しく、携帯電話など身近な品目も増え、米消費者の負担が重くなると分析した。貿易摩擦が激化すれば世界経済を下押しするとの懸念も示した。

対中依存度は、産業機械などが主な対象だったトランプ米政権による追加関税の第1弾(2018年7月、340億ドル)の時点で6.2%だった。それが集積回路などの第2弾(18年8月、160億ドル)で12.5%に高まり、食料品や家具を含む第3弾(18年9月および19年5月、2000億ドル)では20.5%に達した。

いまは実施を保留している第4弾の3000億ドル分が発動されると対中依存度は42.0%へと一気に高まる。中国製品に代わる調達先を探すのは一段と難しくなる。対象品目も携帯電話やノートパソコンなどが含まれ、影響の範囲が広がる。

トランプ政権は追加関税の負担は中国側が負うと主張してきたが、報告書は米側の負担が大きくなるとの見方も示した。これまで米消費者物価全体への影響はほとんどないが、家電や家具などは関税を除いた輸入材物価が高止まりしており、中国側は追加関税がかけられた後も価格を引き下げていない。米国内の企業や消費者にも負担増への懸念が広がっている。

米中摩擦の影響は貿易網を通じて世界に広がる。台湾では中国向け輸出が低調になる一方で対米輸出が急増。米国向け輸出が伸びているベトナムでは中国からの輸入も増えており、迂回輸出の可能性もあるという。

中国から米国に輸出する製品も、部材の一部は他の国・地域から供給を受けている。たとえばコンピューター関連でみると、中国の対米輸出のうち、中国以外でつくられた部材(付加価値ベース)が約3割に達する。特にシェアの高いアジアは米国による追加関税の余波を受けやすい。

米中は世界全体の国内総生産(GDP)の4割を占める。両国の摩擦が長引くほど、企業の投資の減退などを招く恐れが強まる。米中は6月末の首脳会談で貿易協議を継続することで合意し、米側は追加関税の第4弾を当面実施しないと表明したが「世界経済は当初想定した以上に悪化している」(内閣府の担当者)。国際通貨基金(IMF)も世界経済の成長率見通しを引き下げている。

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