モラー氏「大統領の無罪証明せず」退任後初の議会証言

2019/7/25 17:21
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【ワシントン=永沢毅】2016年米大統領選へのロシアの介入疑惑を捜査したモラー元米特別検察官は24日、捜査終了後初めて議会で証言した。トランプ大統領が捜査を妨害した疑いについて「大統領の無罪が証明されたわけではない」との認識を改めて示した。ただ、同氏に打撃となる新事実を明かす証言は出ず、野党・民主党には期待外れの結果となった。

24日、議会証言に臨んだモラー元特別検察官=ロイター

「その質問には答えられない」。モラー氏はたびたびこう応じ、質問に立った民主議員をいら立たせた。米CNNによると、同氏が回答を拒否したり、自らがまとめた疑惑の捜査報告書を参照するよう議員に勧めたりした回数は実に200回超にのぼったという。

モラー氏はもともと証言には消極的だったが、トランプ氏への追及をめざす民主が証言を強いる召喚状を出したため、やむなく出席した経緯がある。「公開されている以上の情報を提供することはない」とあらかじめ予防線を張っていた通り、慎重な答弁に徹した。「無罪が証明されたわけではない」との発言や大統領が退任後に捜査妨害で訴追される可能性を否定しなかったのも、報告書に記載された内容にすぎない。

モラー氏は退任直前の5月末に「現職大統領の不正行為の責任を問うためには、憲法によって刑事司法制度以外の手段を必要とする」と語っている。民主がこの発言を踏まえて「その手段は(議会による)弾劾か」と尋ねてもモラー氏はコメントを避けた。捜査妨害について自らの判断を超えて「証拠不十分」と結論づけたバー司法長官への批判も控えた。

民主は左派議員を中心に弾劾論がくすぶり、米メディアによるとその数は90人に及ぶという。ただ、ペロシ下院議長は慎重な姿勢を崩さない。米紙ワシントン・ポストの世論調査によると、弾劾への賛成は37%で、反対の59%を下回る。24日の質疑でも民主議員が自ら「世論の支持が得られていない」と発言する場面があった。

モラー氏の証言が民主にとって肩すかしに終わったことで、米メディアには「モラー氏が救世主になる幻想はおそらくこれで露と消えた」(ワシントン・ポスト)との見方が出ている。トランプ氏は議会証言が終わった後、ツイッターで「真実は力だ」と勝利宣言。記者団には「民主は20年大統領選や議会選で大敗するだろう」と強気の姿勢を示した。

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