2019年9月16日(月)

IHI、海流発電システムの実証実験 装置を公開

2019/7/25 15:33
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IHIは25日、水中浮遊式の海流発電システムの実証実験を本格化すると発表した。大規模な海流発電システムとしては世界初とみられ、鹿児島県沖の黒潮を使って1年以上の長期の実証実験を実施する。太陽光発電などよりも発電効率の良いシステムとして活用し、離島などでの活用を視野に2021年度以降の商用化を目指す。

IHIは大規模の水中浮遊式海流発電システムの実証実験を世界で初めて本格的に実施する(25日、横浜市)

IHIが同日公開したのは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同開発し、発電装置を海底からつないだ30トン程度の装置だ。今回の設備は口之島沖合約10キロメートル、水中100メートル程度に浮遊させ、後方のプロペラを使って海流で定格出力100キロワット程度で発電する。

船や波の影響を受けにくく、海底送電ケーブルを通じて電力を供給する。8月初旬に横浜事業所(横浜市)から出港して鹿児島県十島村口之島沖の実証海域に向かい、今秋にも運転を始める。海流発電は発電効率を左右する設備利用率が50~70%と、他の再生エネルギーの洋上風力(同30~40%)や太陽光(同10~15%)に比べて高いという。

技術開発本部で海流発電担当の長屋茂樹氏は「世界有数の強い海流である黒潮は有望な再生エネルギー源だ」と語った。今後は米東海岸や台湾などでの活用も視野に入れている。17年に1週間程度の実証実験を実施したが、新たに浮体の傾きを調整する制御プログラムや整流板の増設などで耐久性を改良した。

30年度には1機あたり2000キロワットで100機程度を並べた「ファーム」として、一般家庭3千世帯分にあたる年20万キロワット程度の単位で事業化したい考えだ。

今回の製造コストは1機あたり約10億円とみられ、発電コストは小規模ならば1キロワット時あたり40円、30年度以降の大規模ファームならば同20円程度になるとみている。自ら新市場を創出することで「数千億円規模の事業化も見込める」(同)と考えている。

NEDOは黒潮がもつエネルギーの潜在性を約200ギガワットと試算。常に流れが強い海流向けの水中浮遊式は同社が先駆けだ。潮の満ち引きである潮流を使い海底に設置する着床式はすでに欧州のスコットランドなどで先行しており、この提供メーカーが今後競合になってくる可能性もある。

(西岡杏)

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