韓国SK、フラッシュメモリー15%減産へ 輸出規制が影響

日韓対立
アジアBiz
2019/7/25 13:15
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【ソウル=山田健一】韓国SKハイニックスは25日、2019年のNAND型フラッシュメモリー生産を18年実績に比べ15%減らすと表明した。日本政府による半導体材料の輸出規制拡大を受けて、材料を節約する必要があると判断した。4日の規制拡大後、韓国の半導体大手が生産計画を修正するのは初めて。SKはメモリーの製品在庫を2カ月分抱え、同社の顧客に短期的に影響が出る可能性は低い。

SKハイニックスが韓国中部の清忠(チョンジュン)で操業するフラッシュメモリーの工場

SKハイニックスが韓国中部の清忠(チョンジュン)で操業するフラッシュメモリーの工場

フラッシュメモリーはスマートフォンやサーバーにデータを記憶する半導体。英調査会社IHSマークイットによると、SKハイニックスの世界シェアは11%。同社はデータを一時保存する別のメモリー(DRAM)と合わせて、メモリーの世界市場で韓国サムスン電子に次ぐ2位につける。

SKの車辰錫(チャ・ジンソク)最高財務責任者(CFO)は25日、アナリストとの電話会議で、対韓輸出規制について問われ「規制が長引けば、メモリーの生産に支障がでる可能性を排除できない」と話した。その上で「材料の使用量を減らして、問題が出ないよう努める」と強調した。

SKは4月にもメモリー市況の悪化を受けて19年通年の生産量(シリコンウエハーの投入量ベース)が前年比10%減るとの見通しを示していた。日本の政府の輸出規制拡大を受けて、減産幅を拡大するとみられる。

同社はフラッシュメモリー単体の損益を公表していないが、18年10~12月期から四半期ベースで赤字が続いているもよう。サムスンや東芝メモリなど競合が多く、厳しい収益環境が続いている。

ただ、車氏は25日、フラッシュメモリー市場に関し「想定より回復のペースが早い。年末にも正常化する可能性がある」と説明した。市況の回復を意識しながら減産幅を調整する。韓国では31日にサムスンもアナリストとの電話会議を予定しており、幹部の輸出規制に関する発言が注目される。

韓国の半導体業界関係者によると、SKは規制品目である半導体材料の「フッ化水素」や「レジスト(感光材)」の在庫集めに奔走している。フッ化水素の大手メーカーである日本のステラケミファや森田化学工業と付き合いのある商社に片っ端から接触し、材料在庫の確保を急いでいる。車氏は「材料在庫を積極的に確保している」と述べつつ、詳細な見通しについては「現時点で申し上げるのは難しい」として言及を避けた。

SKによると、フラッシュメモリーの平均単価は今年1~3月期に前の四半期比32%、4~6月期も同25%それぞれ下落した。ただ、輸出規制を受けてメモリーのスポット価格は反転しつつあり、韓国市場では「SKの減産拡大は市況が反転する契機になる」(アナリスト)との声もある。

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