2019年9月22日(日)

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 22,079.09 +34.64
日経平均先物(円)
大取,19/12月 ※
21,910 +40

[PR]

投信コラム

フォローする

ティー・ロウ・プライスが初の公募投信(話題の投信)

2019/7/30 12:00
保存
共有
印刷
その他

米系運用会社のティー・ロウ・プライス・ジャパンが国内初となる公募投資信託「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド」を5月に新規設定した。為替ヘッジと決算回数の異なる4コース合計の当初設定額は643億円。その後も資金流入が続き6月末時点の純資産総額(残高)合計は935億円にのぼる。長年の実績に基づいた安定的な運用手法についてティー・ロウ・プライス・ジャパンの取締役で投資信託ビジネス統括責任者の土居邦彰氏に聞いた。

■世界の各拠点に約170人のアナリスト

当ファンドの投資対象は日本や新興国を含む世界の株式。ティー・ロウ・プライスの調査をもとに、長期的かつ持続的な成長が期待できる企業に厳選投資する。ティー・ロウ・プライスは米国の独立系運用会社で、19年6月末時点の運用資産総額は1兆1250億ドル(約121兆7千億円)。1937年の創業以来、アクティブ運用にこだわり続けてきた。

同ファンドの運用は、ファンドマネジャーと3人のアナリストで構成される「グローバル・フォーカス・グロース株式運用戦略ポートフォリオ運用チーム」が担う。バックにつくのは、世界の各拠点に配置された約170人の株式調査アナリスト。国や業種などそれぞれが精通する分野に応じて個別企業を担当しており、リアルタイムの情報をもとに各アナリストが随時発信するリポートは運用に欠かせない貴重な情報源の一つとなっている。

■時代の流れをしっかり捉える運用

運用において重視するのは、時代の流れをしっかり捉えること。例えば、米グーグルは今でこそ世界トップクラスの時価総額を誇るが、当社のポートフォリオではまだ会社規模が小さかった2005年に既に組み入れ上位まで引き上げていた。一方で、ただ長期保有すればいいというのではなく機動的に組み入れ比率を調整する。一度売却した銘柄でも再び買いのチャンスと判断したら、売却時の値段よりも高い値で買うこともある。

当ファンドを運用する上記チームにファンドマネジャーとしてデイビッド・アイズワートが就任して以降、同チームのファンドの運用成績はさらに向上。運用指標とするMSCIオールカントリー・ワールド指数と比べた四半期ごとの運用成績は20勝7敗(19年6月末時点)だ。アイズワートは政情不安から他の投資家が嫌気する欧州の金融セクターにも着目し、スイスのプライベートバンク大手ジュリアス・ベアを組み入れるなど有望銘柄を発掘してきた。来日した際には日本の菓子メーカーの投資判断のため北海道のじゃがいも畑にまで足を運ぶなど、積極的な現地調査も行う。また、自身が投資する企業をすべて把握するために、ファンドの保有銘柄数は60~80にとどめている。

■経営理念の「顧客に誠実であれ」を運用に生かす

安定的なパフォーマンスを発揮できる背景には、ティー・ロウ・プライスの企業文化の影響が大きい。「顧客に誠実であれ」という経営理念のもと、社員全員が純粋にベンチマークを上回る収益である「運用のアルファ」を顧客に提供することを目指している。例えば、当社は他の米系金融機関における最高職位であるマネージング・ディレクター(以下MD)を当時のMDたちが自ら廃止した。「ステータスの奪い合いのために社員同士が足を引っ張り合うようになると、顧客にアルファを提供するという目的にそぐわない」との考えからだ。一方で、米リーマン・ショック時には、他の金融機関でリストラが相次ぐなか、人員を減らさずむしろ増やすことで、社員は解雇を気にすることなくアルファの追求に専念できた。ポートフォリオマネジャーの評価も単年や3年などの短期だけでなく、5年や10年の運用成績も評価項目として同程度に重視している。ファンド同様、目先の利益を追い求めるのではなく、良い成績を長く続けることに重きを置くためだ。

当社にとって今回のファンドは国内初の公募投信。日本で「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」が根付き始めたと判断し、参入に至った。今後も新たなファンドの設定を目指していくが、まずは現状のファンドの知名度を上げるとともに、ファンドの保有者一人一人への誠実な対応ができる体制づくりを整えていく。

(QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信コラムをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。